ワインコラム
HOME > NZワインの魅力(コラム) > 第175回 キャンピングカーで巡る春の南島
昨年の9月を持ちまして、1年9ヶ月通った調理士専門学校もお陰様で無事に卒業できました。ちょうど季節も春でしたので、お花見卒業旅行と銘打って、かねてより乗ってみたかったレンタルキャンピングカーを借りて巡ってきた、初体験三昧の春の南島旅行についてまとめてみたいと思います。
今回は南島の人気観光地のミルフォードサウンド、テ・アナウ、クイーンズタウン、ワナカを巡る4泊5日のキャンピングカー旅を計画しました。この旅で出会ったグルメやワイン、キャンピングカーの魅力などをご紹介できればと思います。

今回レンタルしたのはJucyというレンタル会社のキャンピングカーです。大人が3人宿泊できるタイプで、車内にキッチン、キッチングッズ、シャワー、トイレ、冷蔵庫、暖房、テレビも内装されていて、想像以上に快適に旅することができました。また、車種はトヨタのハイエースを改造したものなので、運転するにもそこまで大きくなく普通車感覚で安心して運転できました。そして、ピックアップもクイーンズタウンの空港敷地内でスムーズにできたのでとても便利でした。

クイーンズタウン空港に降り立ちキャンピングカーもピックアップし、空港近くのスーパーで買出しを済ませ、いざ出発です。最初に目指すはニュージーランドを代表する名所ミルフォードサウンドです。
空港近辺から車を走らせるとすぐに、ワカティプ湖という美しく大きな湖が見えてきます。その湖の背景にはそびえ立つ山々が現れ、早速絶景がお出迎えしてくれます。空港よりおよそ4時間のドライブですが、北島とは一味違う雄大な景色の連続で、まったく飽きがこないドライブを楽しめます。また、常に歓声渦巻く絶景ドライブのさなか驚愕し、最も強烈なインパクトを脳裏に焼き付けた道はホーマートンネルです。ミルフォードサウンドまであともう少しという所に現れるのですが、フィヨルドの崖のような山肌に薄暗い穴が開いており、洞窟さながらの中をインディー・ジョーンズのアトラクションのように通って行くのです。全長1,219メートルにも及ぶ一本道、急な下り坂と裸電球のみのほぼ真っ暗闇、岩肌むき出しで水しずくが滴り落ちるこのトンネルは迫力満点です。ホーマートンネルを命からがら抜けると、山が鏡のように映り込むミラー・レイクやザ・キャズムというジャングルの遊歩道の中にある滝など、今まで見たこともない自然が造りあげた希少な景色が数多く道中に現れ、神秘的な体験に気分が高揚しっぱなしであっという間にミルフォードサウンドに着いてしまいました。

今回の宿泊先は、ミルフォードサウンドからほど近い大自然に囲まれた絶好のロケーションのミルフォード・ロッジというホリデーパークを予約しました。開放的な共有スペースにはキッチン、調理器具、冷蔵庫もありキャンパーにも安心です。共用のシャワー、トイレも清潔で申し分ありませんでした。しかし、バーベキューグリルとオーブンはありませんでしたので、手の込んだ料理を楽しみたい方はご用心です。私たちもマリネされたホールチキンを買っていたので、オーブンでローストするつもりでいました。しかし、そこはキャンプならではの醍醐味で、あたりを見まわし使えそうなものが無いか探してアイデア勝負です。今回はラッキーなことにキッチンにあった深めのフライパン2つでチキンを挟み入れダッチオーブンの要領でしっかりローストでき、白ワインと一緒に美味しく頂き、素敵な夜を過ごせました。そんなちょっとしたハプニングもなんとかしてこそ旅の良い思い出です。

ミルフォードサウンド観光もJucyのクルーズを利用して、見るものを圧倒するフィヨルド群を目に焼き付けることができました。車のレンタルだけでなくクルーズ客船の運行もやっています。さらにJucyの車をレンタルしていると割引があるので、受付で車のカギを見せるだけで割引サービスを受けることができ大変お得でお勧めです。

ミルフォードサウンドで2泊キャンプ気分を満喫し、次の目的地はテ・アナウです。南島最大のテ・アナウ湖にたたずむ小さな町にどうしても寄りたかった理由は、テ・アナウ・トップ10・ホリデーパーク内にある貸し切り露天風呂を堪能するためです。穏やかで美しい湖を眺めながらゆったり湯船につかることができ、春は湖のほとりの桜も愛でることができます。また、宿泊せずとも日帰り入浴でき、水着さえ用意しておけば、バスタオルはもちろんワインクーラーやワイングラスまで無料で貸して貰えます。なので、スパークリングワインか白ワインもしくは、ビールの持参をお勧めします。夢心地のお花見露店風呂を楽しむことが出来ます。

テ・アナウで至福のひと時を過ごし、クイーンズタウンを目指します。直訳すると女王の町、ビクトリア女王にふさわしい街として名づけられ、ワカティプ湖とサザンアルプスの山脈に挟まれた地に美しい街並みが広がり観光客で賑わい活気で溢れています。そして、非常にコンパクトな中心地は徒歩でも網羅できます。今回は春に訪れたので満開の桜がいたるところに咲いており、桜を探して散策するのも春ならではの楽しみの一つです。

クイーンズタウンでの宿泊先は、中心地にも歩いて行ける距離の高台に位置し、サザンアルプスを一望できるクイーンズタウン・レイクビュー・ホリデーパークに2泊しました。こちらの共有キッチンとラウンジスペースはとても広く、眺めも抜群でした。そして、冷蔵庫と電子レンジはありましたが、バーベキューグリルとオーブン、調理器具やお皿等の貸し出しはありませんでした。なので、クイーンズタウンではおいしそうなレストランや洒落たバーがたくさんあるので、街に繰り出しご当地グルメを堪能してきました。そこで、何件か味わった中で一番印象に残ったクイーンズタウングルメをご紹介したいと思います。

クイーンズタウンでは知らぬ人はいない、テイクアウェイで有名なPedro’s House of Lambのラムショルダーです。中心地から車で10分程の郊外にあり、メニューは子羊のラムショルダーにニンニクとローズマリーで焼き上げたもののみで、1つ注文すると2人でお腹一杯のボリュームです。ホロホロになるまで長時間蒸し煮で調理されたラムと、そのラムの旨味を十分に吸ったポテトは絶品でした。この絶品ラムとともに購入したワインはTerra Sancta Mysterious Diggings Pinot Noir 2015です。まだ若いワインですが、なめらかな口当たりにみずみずしいチェリーやクランベリー、同時にエレガントでコクのあるフルーツケーキのような濃厚な味わいも楽しめます。このワインのラベルは特徴的で、ワインが造られている地形や環境を表しているそうで、魅惑的な雰囲気の土地をラベルに表現しているそうです。

クイーンズタウン周辺はセントラル・オタゴと呼ばれるワインの産地で、世界的にも有名なピノ・ノワールを生産している世界最南端のワインの名産地とあり、いろんなワインを飲んでみたいと足を運んだのがクイーンズタウンの街中にあるザ・ワイナリーです。80種類以上ものワインをテイスティングでき、落ち着いた店内でゆっくり座れるソファーもあります。また、チーズやアペタイザーの盛り合わせなども注文でき、こころゆくまで好きなワインをテイスティングできます。こちらのお店のシステムは、テイスティング・グラスとテイスティングカードをカウンターで受け取り、あとは品種別に整列されたワインの試飲スペースで好きなワインを選択し、好きな分量をハーフ・グラスもしくはフル・グラスから選びテイスティングできます。それぞれのワインの分量ごとに料金も明確に提示しているので安心です。涼しい気候で栽培されるセントラル・オタゴのピノ・ノワールは力強さとエレガントな味わいが特徴で、ライト・ボディからフル・ボディまで様々な種類を飲み比べることができ、普段は手が出せない高級なワインもテイスティングできるのでとてもお勧めです。

クイーンズタウン近郊にあるワイナリーで今回立ち寄ったのはChard Farm Wineryです。バンジージャンプができる橋で有名なA.J. Hackett Bungy Bridgeと目と鼻の先にあるこのワイナリーは、私が今まで訪れたニュージーランドのワイナリーの中で最も危険な場所にたたずんでいました。一歩道を外せば崖から落ちてしまうような山肌の細道を進むと見えてきます。このワイナリーはピノ・ノワールが生産ラインの70%を占め、ピノ・ノワールがもつエレガントな味わいを最大限引き立てる為に、できる限りシンプルな工程を辿る事にこだわっています。ニュージーランドでよく耳にするLess is moreという表現があるのですが、まさにこの言葉がしっくりくると感じました。こちらで味わったワインはThe Viper Pinot Noir 2013です。このワインは、赤い果実や華やかさが織り成す複雑な味わいの中にスパイスの力強さを感じ、長い余韻と極上の味わいを楽しめます。

最後に向かったワナカはクイーズタウンから1時間半程で、お手軽なドライブコースには最適です。ワナカ湖に面したのんびりとした街並みと、湖畔には新緑のポプラ並木が心を落ち着かせてくれます。秋には黄金色のポプラ並木が湖畔を埋め尽くす紅葉スポットとしても有名です。湖畔にキャンピングカーを停めて、淹れたてのコーヒーを飲みながら穏やかな湖の水面をゆっくり眺めているのも格別なひと時でした。

今回初めてキャンピングカーを利用しまして、すこぶる快適で宿泊費と交通費もおさえることができ、とても満足のいく南島旅行ができました。そして、キャンピングカーに乗っての初体験ですが、対向車線で他のキャンピングカーとすれ違う際、お互い手を上げて挨拶をするという洒落た習慣がありました。些細な事ですが、ニュージーランドという土地が人と人との距離を縮めてくれたように思いました。またいつか南島をキャンピングカーで、洒落た挨拶とともにゆっくりと巡ってみたいです。

今回のレシピは、セントラル・オタゴのピノ・ノワールにぴったり合うマッシュルームを使った、デュクセルをご紹介します。
○材料
  • マッシュルーム  200グラム
  • エシャロットなければ玉ねぎ  50グラム
  • ニンニク  1かけ
  • 白ワイン  30ml
  • パセリ  少々 お好みで

○手順
  1. 材料をすべて細かいみじん切りにする。
  2. フライパンに油をひき、中火でニンニク、エシャロットの順に炒める。この時、エシャロットに色がつかないように火を調節しつつじっくり透き通ってくるまで炒め、エシャロットの甘さを引き出します。
  3. エシャロットが透き通ってきたら、マッシュルームを投入しさらに弱火〜中火で調節しながら炒めます。
  4. マッシュルームがしんなりしてきたら火力を中火〜強火まで上げ、白ワインを投入します。そして、フライパンにこびり付いた野菜のエキスを溶かし素材の味を馴染ませるため、鍋肌をこする様に全体を混ぜながらアルコールを飛ばしていきます。
  5. 水分を飛ばしたら、塩・コショウで若干濃い目の味付けをします。そうしたら火を止め粗熱が取れたらパセリを混ぜ完成です。

マッシュルームのデュクセルはトーストしたバゲットやクラッカーの上に乗せるとワインのおともに相性抜群のカナッペになります。また、肉にも魚にもよく合うソースにもなるので、是非お試しください。さらに、バーベキューグリルやオーブンが無いホリデーパークでも簡単に作れ、キャンピングカーでも手軽に作れるのでお勧めです。

2017年3月掲載







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