ワインコラム
HOME > NZワインの魅力(コラム) > 第195回 ニュージーランドワインの香りを求めて、東京より。
いよいよ、ニュージーランドは待ちに待った夏が近づいてきました。たっぷり遊んでも持て余すほど陽も長くなり、イベントも目白押し。気温も湿度もほどよく、ニュージーランドの夏は、最高に楽しい季節です。

しかしながら、非常に残念なことに私はいま日本にいます。先の4月に、個人的な事情により、帰国の道を選びました。楽しみにしていたニュージーランドの夏も、しばらくお預けになりそうです。
帰ってきてからというもの、4年以上暮らしたニュージーランドでの生活が忘れられず、ニュージーランドの香りを求めて、あちらこちらをさまよっています。
このコラムではもちろんワインを切り口に、私の住む東京で見つけた、ニュージーランドに出会える場所を書き連ねてみることにします。

ここ数年、日本のスーパーのお酒売り場は、ワインが充実してきていますね。ワインショップ一軒まるごと入っているようなニュージーランドのスーパーには到底かないませんが、店舗によってはかなり力を入れているのが見受けられます。
という訳で、自宅近くのスーパーからチェック。徒歩10分圏内に4軒のスーパーがありますが、そのうち2軒にはニュージーランドワインは置いてませんでした。一軒は安さを前面に出しているところなので、チリ産やオーストラリア産に比べて値段的にアドバンテージのないニュージーランドワインは置きにくいのでしょうか。

そして置いてあった二軒の方、片方にはシレーニ・エステート(Sileni Estate)だけでした。クラウディ・ベイ(Clowdy Bay)と並んで、日本の一般的な売り場では定番といえば定番ですね。帰国当初に立ち寄った時にはニュージーランドのスーパーでもよく見かけるマッド・ハウス(Mud House)のソーヴィニョン・ブランが、特別商品として置いてありましたが、すでに無くなってます。


もう一方、実は自分のスーパーの好みの問題であまり期待していなかった店なんですが(笑)、こちらには2ブランドの赤白数アイテムが置いてありました!もちろん白はニュージーランドを代表する品種ソーヴィニョン・ブランに加えてシャルドネ、赤はニュージーランドの新定番ピノ・ノワール。これは嬉しいですね、この店の評価が変わりました(笑)。銘柄はこれも本国でよく見るマトゥア(Matua)、もう一つはローン・カウリ(Lone Kauri)。ハテ、見たことがあるような無いような、と思って裏ラベルを見ると、オークランドのクメウ(Kumeu)にあるクーパーズ・クリーク(Coopers Creek)のブランドでした。こちらのワイナリーにも良く行ったものです。

さて次は現在の勤務先、渋谷で大型店舗をチェック。
東急百貨店は2店舗ありますが、まず駅近くの東横店のほうへ。ありました、リッポン(Rippon)やペガサス・ベイ(Pegasus Bay)など、さすがにスーパーで見かけるレンジとは違います。現地の日本人醸造家が造るワインも軒並み置いてあります。さらに売り場の担当者が案内してくれた先は、比較的気軽に買い求められる商品のコーナー。そこにシレーニと並んで置いてあったのは、ブランコット・エステート(Brancott Estate)のピノ・ノワールでした。本国のスーパーには必ずと言ってよいほど置いてある、一番安いレンジのワインですね。これは特定のお客様からの要望で、特別に仕入れたものだそうです。やはり私と同じで、ニュージーランドに思い入れのある方なのでしょう。

もう1店舗の本店の方は、さらに充実したラインアップとなっております。以前私のコラムで訪問記をご紹介したことのある、バビッチ(Babich)やクラウディ・ベイのテ・ココ(Te Koko)も置いてあります。今まで見たことのある百貨店系の売り場の中では、一番面積を割いているのではないでしょうか。東横店との品ぞろえの違いについては、各店舗の売り場の担当者に仕入れが任されているのに加え、やはり近くにある2店舗とも同じでは面白くないだろうという判断もあるようです。

次は西武百貨店に足を運んでみました。こちらの売り場は酒販大手のヴィノスやまざきが請け負っていて、店内には有料試飲が出来るバーカウンターもあり、個性的です。しかしながら、ニュージーランドのワインはテ・マニア(Te Mania)というワイナリーの3アイテムのみ。こちらのワインはすべて自社輸入ですが、ニュージーランドワインはこれだけだそうです。こちらの店長にお話を伺いました。あくまで店長の推測と前置きしたうえで、ラインアップの少なさについては、バイヤーが各国に赴いて仕入れ先を探すにあたり、仕入れ条件に合致するようなところをなかなか見つけられないのではないかということです。同じような理由で、意外なことにフランスワインもあまり置いて無いそう。これからについても、様々な国から輸入するうえで、特にニュージーランドにフォーカスするようなことも無いのではないかともおっしゃっていました。少し残念ではあります。

そして百貨店ではないですが、意外に頑張っていたのがドン・キホーテ。渋谷にあるのはMegaドンキなので、お酒売り場も充実しています。こちらで見ることができたのは、オイスター・ベイ(Oyster Bay)やオールド・コーチ・ロード(Old Coach Road)など。このあたりのデイリー・ワインは、本国での日常でよく見かけるので、懐かしい気持ちになりますね。

新宿でも数件の百貨店を見てみましたが、やはりニュージーランドワインの品ぞろえは、あまりよくありません。充実のワイン売り場を誇る伊勢丹も同様。話を聞くと、百貨店に足を運ぶお客様は、お年を召した方も多く、そういった方々のワインのイメージは、やはりフランスやイタリアということで、どうしてもそれらの国に偏るそうです。

さてその伊勢丹で毎年行われる、イタリア展に先日行ってまいりました。実は私、イタリアにひと月料理を学びに行ったこともあり、イタリアにも思いを寄せております。再度訪れた時には、現地でアグリツーリズモと呼ばれる、ワイナリーステイも経験しました。ん?ニュージーランドワインのコラムでイタリアワインの話?と思われるでしょうが、ご勘弁を。

イタリア展ではワインも売られていて、その数もかなりのものです。売り場をウロウロしていて目に飛び込んできたのは、なにやらニュージーランドにて見覚えのあるラベル。そのワインはJK.14。ラグビーのニュージーランド代表、オールブラックスのレジェンド、ジョン・カーワン氏が魅せられたイタリア・ヴェネト州にて、友人のワイン生産者たちとコラボレーションし、ジョン・カーワン氏のプロデュースラベルとしてリリースされたワイン。このワイン、ニュージーランドでの私の自宅の斜向かいにあったリカー・ショップ、ハーン・ベイ・セラーズにて、ニュージーランド人がプロデュースする一押しイタリア・ワインとして、店頭に並べられていたワイン。おそらく今でも並べられてるんじゃないでしょうか。前を通るたびに気になっていたラベルなので、懐かしさがこみあげてきて、白ワインを一本買ってきてしまいました。

ニュージーランドのラグビー選手が関わるワインに、もう一つ出会いました。場所は府中市、京王線分倍河原駅から徒歩7分ほどの場所にある、Cafe +64。店名が示す通り、こちらもニュージーランドゆかりのお店です。+64は国際電話をかけるときの、ニュージーランドの国番号ですね。このカフェは、ニュージーランド人にして、現ラグビー日本代表チームのキャプテンである、リーチ マイケル(Michael Leitch)さんが経営しています。
氏の詳しい経歴にご興味ある方は調べていただくとして、お店ではビールやワインなどもメニューに載っています。ビールはトゥイ(Tui)、そしてレジ脇に置いてあるワインボトルには、何やらラグビー選手のラベルが貼ってあります。これはホークス・ベイのジャンクション・ワイン(Junction Wine)。このワイナリーのオーナーは、元オールブラックスの選手、ジョン・アシュワース(John Ashworth)氏。このワインを輸入しているのは、主にラグビー用品を扱う会社の様です。本国でのこのワインのラベルは、一般的なワインのラベルがついていますので、ラグビー選手のラベルは、日本用にアレンジしたものなのでしょうね。

そしてありました、ニュージーランドワイン専門のバー、その名もNZ BAR。場所は東京メトロ南北線の東大前という、学生のころから私には全く縁のないエリア。特に目立つ店構えではなく、ひっそりと佇んでいるので、正直一度通り過ぎてしまいました。

中に入ると8坪ほどの細長い店内は、奥半分がワインセラーになっていて、販売も行っています。ドリンク・スペースは10名も入ればいっぱいで、身動きがとれなくなりそうです。グラスでのめるワインは、常時6〜8種類ほど。こちらで購入したワインを、そのまま抜栓してもらうこともできます(要抜栓料)。

セラーには当然ニュージーランドワインがたくさん。こんなに輸入されてるの?ってくらい色々あります。オーナーの行天さんに伺うと、200種類くらいあるのではということで、ニュージーランドからのワインの輸入量自体は、年々増えているようです。

セラーに入るとあることに気が付きます。どのワインにも値段が書かれていません。こちらでは、お客様とのやり取りの中で、行天さんが最適な一本をお勧めしてくれるそうです。それもまた、楽しいですね。ちなみに私が選んだ一本は、こちらで輸入している唯一のワイン、ドクターズ・フラット(Doctors Flat)。ヴィンテージはお勧めしていただいた2011。セントラルオタゴのバノックバーンにて、一切の妥協を排し、頑固にピノ・ノワールだけを作っている生産者です。

ドリンク・スペースの壁一面には、こちらを訪れた本国の生産者の方々のサインが書かれています。お招きした生産者の方々を囲んで、イベントを開催することもある様です。楽しみが増えました。ニュージーランドワイン好きには、外せないお店ですね。

現在、渋谷のほぼ真ん中のワインバーにソムリエとして勤務しているので、場所柄、海外からのお客様もたくさんお見えになります。すでにニュージーランドからのお客様も数組いらっしゃいました。もちろんオークランドからの方もいて、そういう方たちとはローカルな話で盛り上がり、非常に喜んでもらえます。何より、自分が楽しい。

この先もしばらくニュージーランドの香りを求めて、あちこちを彷徨うことになりそうです。
2018年11月掲載







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