一口含めば、まるでバニラクリームのようなリッチな質感が広がる。そしてトーストしたナッツの香ばしさ、熟した桃や洋梨のフルーティーな風味が絡み合い、まろやかさと力強さの調和が感じられる。
そんなシャルドネは、まさに上質な白ワインの象徴ともいえる存在です。ブルゴーニュ地方のムルソーやピュリニー・モンラッシェといった村々でその名声を築き、今では世界中で愛されています。
そしてもちろん、ニュージーランドでもその名にふさわしい「リッチ系シャルドネ」が造られています。
今回ご紹介するのは、ニュージーランドの北島の名門、クラギー・レンジが手掛ける一本です。
北島の温暖な地域、ホークス・ベイに本拠を置くクラギー・レンジ。
このシャルドネは、以前の輸入元では扱っておらず、2024年に日本のインポーターが変わってからはじめて輸入がスタートした銘柄で、本邦初登場となります。
ぶどう畑があるのは、特別な区画「ギムレット・グラヴェルズ」です。痩せた小石だらけの土壌は、ゆっくりと成熟することで果実の凝縮感を高め、ワインに特有のフェノールと豊かな風味を与えます。
手摘みで収穫されたぶどうは、100%全房圧搾し、自然酵母による発酵を経て、フレンチ及びオーストリアンオークで10ヶ月熟成。新樽比率は26%です。
色合いは、淡い麦藁色。
香りは、バターたっぷりのブリオッシュがまず広がり、白桃、柑橘の活き活きとした果実の香りが追いかけてきます。
味わいは、柑橘の皮のような心地よいほろ苦さ、きめ細かい酸味、バターを塗った柔らかなパンを連想させるクリーミーさがあります。余韻は驚くほど長く、牡蠣の殻のようなミネラル感が印象的。喉から戻る香りに、ヘーゼルナッツのような香ばしさを感じます。
クラギー・レンジ三代目のデヴィッド・ピーボディJr.氏いわく、
「このワインはヴィンテージから10年経過したものでも果実味がしっかりと味わえることを確認しています。スクリューキャップがゆっくり熟成することを証明しています。」
とのこと。
時間を重ねるごとに深みを増す味わいは、特別な日の一杯にもふさわしいでしょう。
- 海老のバター焼き
- 鮭ときのこのクリームパスタ
- クリームソースのローストチキン
こういった、「クリーミーさ」と「ローストした香ばしさ」のある料理このシャルドネの個性をさらに引き立てます。ぜひ記念日の食卓に加えてみてください。