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ANZ銀行の報告書によると、過去20年のワイン業界成長にもかかわらず、ニュージーランドワイン業界内の連帯感の欠如が今後の成長に陰を落としている、と報告している。
過去オーストラリアでは、ノー・ブランドのバルクワインの輸出が供給量を左右し、ボトルワインの評判と価格を弱体化させてしまったことがある、業界内での強力な連携がなければ、ニュージーランドのワイン産業でも同様の状況に直面する可能性があると同レポートは述べる。
改善措置のひとつにはバルクワインの販売減少を促し、高いマージンと生産コストのバランスをとるスーパープレミアム市場への転換を図ることである。
ニュージーランドワイン生産者協会(NZW)の会長でマルボロー葡萄生産者のスチュアート・スミス氏は、「業界の協力の可能性はあったが、小規模なワイナリーの多くが独立した行動を取っている。今年の葡萄樹の開花率低下の影響で、昨年より低い供給量となり、それがかえって業界にとっては財政的には上向きに働く。供給量が多かった過去数年はバルクワインでも良かったが、今年の低い生産量ではそれは論外の思考だ。ニュージーランドのワイン生産の大半がプレミアムワインで、そこをもっと重視すべきである。利益率の高いところが利益を産み出すのだ。時代は変化していることを認識すべきだ 。今後数年間でプレミアムワイン(国内販売価格がボトル15ドル以上)のワインの成長を優先すべきである」と言う。
ティキ・ワインズのロイス・マッキーン氏は「ニュージーランドワイン生産者協会は葡萄栽培とワイン醸造の二つの相反する業界団体の対立で動きが取れないのだ。過去2年間のような供給過剰を回避するために、情報供給で供給管理するのは業界を健全な体制に保つのに不可欠であったが、NZWはこれを実施する能力や権限を持っていなかった。これまでは買い手市場だったので、ニュージーランドのような小さなブティックワイン生産国にはうまく働かなかった。NZWは組織内の別個のグループが個々の意見を持ち、それぞれの利益のために行動をしていた。その結果が平均的価格となり、失敗を産み出したのだ。ニュージーランドでの高い生産コストは、フランスや南アフリカなどの主要ワイン生産地域の生産規模と競合出来ない。 ワイン業界が販売の成長より、持続可能性と収益性を重視しなくてはいけない。」と言う。
これに対し、ブレイデン・ワインズの共同所有者デイブ・マクドナルド氏は「業界は協力体制の欠如に直面してはいない。業界内の協力こそ業界が2007年以降取り組んできたことだ。ブレイデン・ワインズが1989年に設立されてから、NZWからの援助は計り知れないほどあった。 問題は、銀行の財政融資の撤退が最大の脅威である。」と反駁した。
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