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以前はカートン入りワインと言えば安かろう、悪かろうという印象があり、遠慮されがちだったが、クライストチャーチのバーではサーバーから注がれるワインの導入が歓迎されつつある。長年、ヨーロッパではサーバーからのワインが愛好されており、その中でもイギリスでは安価で、品質がよいグラスワインが出回ってきていて、この手のワインに人気が高まっている。
酒類販売を専門とするハンコック社では、クライストチャーチでも人気が高いメリヴェールのNo4 のようなえりすぐった場所に、最高仕様のシステムを設置している。ブランド・マネージャーを務めるヴォーン・フーパー氏は「蛇口からのワインというやり方は、最初は驚きだったが、このシステムでサーブされたワインが素晴らしいことが実証されている」と言う。ハンコック供給システムでは、バーの後部にあるビールサーバーに類似した蛇口に接続され、真空のプラスチックバッグシステムにワインは内蔵されている。注ぐ際、袋が真空状態のまま、圧縮空気がその周りにある空間にポンプで送り込まれ、空気が袋を締め付けグラスにワインが注がれる仕組みとなっている。つまり、ワインはグラスに入るまで空気と接触しないことになる。
「こうして酸化防止をするだけでもサーバーからのワインシステムは優れている。従来の方式だと、グラスワインとして販売されるワインはボトルを開け、そのままの置いておかれ、味が劣化してしまうことがあるが、この方式だと注文されるまで完璧な状態で保つことが可能となる。どんなに高品質のワインでも、一度ボトルが開けられると、ワインは劣化し始めてしまう。最初はややためらいがちではあった消費者もワインの味を知ると、それだけで納得する。」とフーパー氏は言う。
タップワインはその上、従来の瓶詰と比べ、コスト的に安くなる。つまり、袋に梱包されると、ボトル、ラベル、物流コストなどが途端に経済的となる。しかも袋入りのワイン購入は、同じ量のワインを瓶で購入する場合と比較し、ワインを無駄にする量が25-50%減となる、とフーパー氏は言う。
クライストチャーチで、この新システムいち早く導入したNo4 のショーン・ハリウェル氏は、雰囲気を醸し出すためにバー後部のワイン樽前面部に注ぎ口を装備している。
「顧客に新しい体験をしてもらおうとの作戦だ。開拓精神を持って始めたが、ここではかなりの人気を博している。当店ではロゼ、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブランをこのシステムで販売しており、コスト減を顧客にも還元している。」と導入の利点を挙げている。同様のシステムは大量消費の店でも非常にうまくいっている。パプナイ・ロードのカールトンでは、ライオン・ナーサン社のような大規模ブランドディストリビューター製のシステムを導入している。マネージャーを務めるスティーブ・ホームス氏は「とっかかりに顧客は躊躇するものの、タップからのソーヴィニヨン・ブランは通常のソーヴィニヨン・ブランについでのベストセラーとなっている。このシステムは画期的で、ワインを出すには素晴らしい方法だ」と言う。
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