NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
17.08.2014
残忍な救世主!?

空のV8スーパーカー・エンジンと形容される残忍な殺戮者がワイララパ地方の最高品質のワイン生産を助けるかも知れない。

マーティンボロにあるワイナリーである、パリサー・エステートのセラードアーマネージャーであるジェーン・レンティング氏は、絶滅危惧種であるニュージーランドのブッシュ・ファルコン(鷹のこと。マオリ語でカレアレアと呼ばれる)を、ロトルアのウィングスパン猛禽類センターから持ち込もうと考えている。

「これにより私達人間は鷹は食料となる小鳥を補食する環境を与えることができ、鷹は私達の役に立つことになる」とレンティング氏は語る。
鷹は時速200キロにも達するスピードで急降下することができ、ブドウを好む害鳥である、ムクドリやブラックバードを追い払う効果があるという。これら小鳥は天敵である鷹に恐れをなし、葡萄を害鳥から守ることができる。
このプロジェクトはマーティンボローワイン組合とワイララパ生物協会にサポートされており、今年9月には雌の鷹をマーティンボローに持ってこられるように環境庁に申請をしている。

鷹が葡萄を守るのと同じく、現地を訪れる観光客を魅了し、また自然会の種の保存に一役買う事になる。

カレアレアは国内で1万羽を下回る個体数により危惧種に指定され、この数はキウィよりも少ないとされている。ここ何年もマーティンボロー近郊では目撃されなくなった鳥とのこと。

ウィングスパン猛禽類センターの職員によると、カレアレアの75%は生後1年を生きられず、年間に200羽は狩猟されたり、電線や窓、フェンスにぶつかり衝撃死したり、猫などの小動物の餌食になってしまう。
同センターによると、養鶏や鳩の飼い主は鷹を危惧するが、お互い共存させる方法はあるとのこと。「そして、カレアレアはここに最初からいた生き物。そして今、その生態が脅かされている。鷹は猫のように遊びで小動物を殺したりせず、補食のみに行う」と付け加える。

予定のカレアレアは付加した後3週間あたりの10月に、親からの餌が無くても生きられるようになってから、マーティンボローに連れてくる予定とのこと。その後、人間の手を借りずに自分で飛び、狩りが出来るようになれば、巣ごもりが出来るようになることが期待されている。

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