NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
29.10.2018
ワインとスポーツのいい関係

ワイン産地でのスポーツ・イベントが増えてきた。スポーツ観戦に脈絡なく、ワインや食物販売がおまけで存在するのではなく、アルコール消費の健康的な楽しみ方をワイナリーが啓蒙する機会が到来した。美しいブドウ畑が広がる環境でワインを楽しみ、真剣にスポーツに興じるという二択可能なイベントに人気が高まっている。

例えばフォレスト・エステート・グレープ・ライドがその一例だ。14年前からマールボロで開催され、今では南島に何千人もの観客動員する程のものとなった。2005年の最初のイベントでは、689人だった参加者数が、現在は2500人とまで成長した。発端は、オリンピック選手だった当時新進気鋭のロビン・リード氏と警察官のピート・ハリガン氏の軽い立ち話からだった。フォレスト・エステートのオーナーで創始者のフォレスト夫妻は、このイベントの常連参加者でもあり、ワイン、ビール、食物、サイクリスト用のウェアやアクセサリー関連の展示や販売も手掛けている。

2007年に始まった、セイント・クレア・ヴィンヤード・ハーフマラソンは、ニールとジュディ・イボットソン夫妻の座右の銘の「やろうと思えば、なんでも出来る」を現実化させたものだった。今年5月の同イベントには、4000人が参加した。

「コース自体かなりきついものだが、途中の素晴らしい風景は、リラックスした気分で、楽しみながら走ることに挑戦出来る。うちの家族も全員参加し、家族的な雰囲気を持っているイベントだ。真剣に走りたい、という人もいれば、リラックスして、楽しみながら参加したい、という人達も集まって来ている。でも究極の楽しみは、ゴールでセイント・クレアワインのボトルが待っている事だろうね」とイボットソン夫妻は語る。

マーティンボロー・ラウンド・ザ・ヴァインズ・ファン・ウォーク・ランとセイント・クレア・ハーフ・マラソンに啓発されたペガサス・ベイ・ヴァイン・ランは今年一月が第一回目のイベントとなった。参加者たちも先行のイベント参加者同様にワイパラの景観とワインの組合せに魅了されて参加する。朝早めのスタートで、ランナー全員にはレース後ワイン一本がもらえる。

ヴァイン・ランの共同創始者で、イベントのコーディネーターでもあるディ・ドナルドソン氏は、「運動に参加するだけでなく、脳科学研究所の募金集めとなり、その上にノース・カンタベリー地域の振興となるのでこのイベントを思いついた。」走り終わったら、参加者はピクニックに行く気分で持参した食べ物を、ワイナリーの広々とした芝生に腰を据えてのんびり楽しむことが出来る。現在はペガサス・ベイ・ヴァイン・ランには6キロ、10キロ走の二つの選択肢があるが、今後ハーフマラソンにすることも検討している。ランナーはペガサス・ベイ・ワイナリーのブドウ畑を走り抜け、花やニュージーランド土着の植物が咲き乱れたよく手入れされた庭園や湖、野菜畑を走るコースを楽しむことが出来る。このランのもう一つの目的は募金集めだ。共同創始者のイヴァン・ドナルドソン氏は長年、神経学の准教授を勤めていたことから、病理研究には特に関心を寄せている。

グレープ・ライド同様に、ペガサス・ベイ・ヴァイン・ランでも、ワイン購入が可能で、またお土産用のワインも販売している。さらにイベント参加のワイン愛好家たちにとり、運動した後にもう一つ特権がある。地元のワインセラーでしか手に入らないワインを楽しむ機会も用意してある。さらに、ブドウ踏みの初心者たちの力を借り、ワインメーカーのジョン・フォレスト氏はワイン造りのイベントも用意している。希望者は、ピノ・ノワールのブドウが入った桶に入り込んで、ブドウ踏みをする。この時に作られたワインはロゼとなり、翌年のグレープ・ランでの年代別優勝者に贈与される。

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