NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
07.10.2007
小規模ワイナリーの葛藤

ニュージーランドの大半を占めるブティック・ワイナリーと呼ばれる小規模ワイナリーの多くは、資金繰りに苦労し、生き残ることに必死である。

これについて、大手ワイナリーのワインメーカー、キム・クロフォード氏がその思いを語った。

「小規模ワイナリーの苦労は、業界全体にとっても、より幅広いワインを提供することを困難にしている。現在輸出量の約75%がソーヴィニヨン・ブランが占めているが、これは大きな強味でもあり、弱点とも言える。もしも突然ニュージーランド・ソーヴィニヨン・ブランから世界の人が興味を失ったら?それはもちろん、ニュージーランド・ワイン業界に撮って大きな痛手となるだろう。
そこで我々は多様性を持たせるために、ピノ・ノワールを始めとして多品種の生産、販売にも力を入れている。しかしながら目の前に立ちはだかる問題は、ニュージーランド・ワイナリー全体の89パーセントにあたるワイナリーが年間20万リットル以下の生産量で、赤字経営だということ。一方新しい試みを積極的に行っているのもそれらの小規模ワイナリーであるが、順調に新しいスタイルが形になろうとした頃に大手が現れ、同じ様なスタイルのワインをあっという間に大量生産してしまう。
多くの小規模ワイナリーは資金不足のため、そうそう頻繁に輸出に踏み出すことができない。しかしながら輸出市場を開拓せずにはワイナリーの発展が難しいという悪循環ができてしまっている。」

クロフォード氏は、解決策の1つとして、オーストラリアのように政府からの補助金がニュージーランドでも受けられることを願っている。

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