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古いものから新しいものを作るアイディアが溢れ出るマールボロ在住の若いカップルは、ワインの樽を再利用し、素晴らしいロング・ボードを作成した。インディゴ・グリーンロウとウィルズ・ロウはフレンチ・オーク材の樽を粗く切り長めのスケート・ボードとして再利用し、そのトップにはグリップをつけるために砕いたガラスを使用しスムーズなベースに優雅なデザインを施した。
「この木材の前世はピノ・ノワールの樽だった。ワイン樽を使っていて、一番わくわくするのは、ボード一枚一枚が過去のストーリーを持っていることだ。例えば、セレシン・エステートで使われていた樽を再生すると、樽に使われたオークはフランスで何年か過ごした後、製材所で切られ、何年もかけてエージングされてから、ワイン造りの工程に使われ、何年間もの収穫に関わったストーリーがある。さらには、ワインの種類毎のストーリー、と言った具合に、スケート・ボードになる前に、それぞれの樽には、歴史があるのだ。それを経て初めて、ウィルズの手にかかって、商品価値が高い真新しい製品と変化する」とグリーンロウは嬉しそうに語る。
スケート・ボードとしての人生が終わっても、その木はまた他のものに再利用されたり、自然に帰ることになる。「再生製品でもあり、また再・再生が可能な製品だ。」ロウとグリーンロウのビジネスは芸術とデザインへの情熱を持続可能の精神をしっかり組み込んでいる。
「私たちのビジネスの基本は、育ってきた環境の影響を強く受けている。ウィルズはサクランボの果樹園で育った。彼の両親はスプリング・クリーク・ワインの創始者だ。私の両親はボートでしか行けないようなスコットランドの北西部の沿岸で、私たちを育ててきた。電気は風車発電から、水は井戸から組んでくる、という生活だから、コンピューターを使うか、電灯が必要かの選択を迫られるのがスコットランドでの生活だった。持続可能な生活が常識、という環境で育ったので、持続可能でない生活なんて考えられなかった。」その後、グリーンロウはクライストチャーチのカンタベリー大学でグラフィック・デザインを勉強している時に、ウォータースキーからスケート・ボードを作っている男性に出会い、その人から、無地のボードを購入した。自分で絵柄を施して、販売するビジネスを始めた。
それから数年後にウェリントンに移った、グリーンロウはロウと出会い、二人は美しく、健全で、デザイン性のあるものを作ろうと意気投合した。この二人の会社(ペーパー・レイン・プロジェクト)は受注生産のスケート・ボードとTシャツデザインのコンペティションを始めた。昨年は、根拠地をマールボーロに移し、ワインの樽からロング・ボードを作るビジネスを開始した。家族や友人たちのサポートでこの事業が可能となった。地元のワイナリーも、ワイン樽の供給とボード購入という形で惜しみなく援助をしてる。
現在二人は、ロウの両親のサクランボの果樹園に住み、ワークショップもそこ構えた。ワイン樽の一番いい部分を選択し、ボードを作成し、グリーンロウがその後レーザー・エッチングでデザインを施す。幾つかのデザインの選択が可能となっているが、顧客の注文にも応じている。製品の多くは海外受注となっている。「最終的なビジネスのゴールはとても単純だ。当然会社のビジネスが順調に進むことを望んでいるは、個人的な成功は、持続可能な生活が出来るだけの最低限の収入があればいい」とグリーンロウは言う。
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