NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
15.08.2016
ブドウ苗の供給者から、マールボロのワイン産業成長へのいい知らせ

およそ10年前の破壊的な打撃から立ち直り、ワイン産業にブドウ苗を供給するマールボロの種苗場のビジネスは良好だ。

ブレナム郊外オーモンド種苗場は2008年の収穫以前からニュージーランド国内で約35存在する苗を供給する会社のひとつ。ベン・ウィックハム部長は、「相場師たちがバルクワインで市場を飽和状態にし、価格暴落を引き起こし、新たな植栽の需要を叩き壊してしまった。2009年から2013年の間で、種苗場の売り上げは90%も低下し、5社を除いて、その他全ての種苗場が閉業に追い込まれた。うちは、この間、首を隠していたよ。同業者たちは、もう商売が出来ない、と店を畳んでしまった」と語る。

しかし、ワイン業界の成長のおかげで、2008年の『ゴールド・ラッシュ』時期前の販売量のレベルにまで立ち戻った。ウィックハム氏曰く「ビジネスが底をついてしまった時期は、3-4人まで落ち込んだ従業員の数を、ピーク時には40-50人に増加するまで、需要が立ち戻った。」同社はピーク時の7週間で、一日に25000苗を処理し、ひと箱3000苗をパッケージにし、コンテナに詰め込み、ニュージーランド中のワイン会社とブドウ栽培者に発送した。

「ワイン・マールボロの労働量調査によると、今後5年間で、同地域でのブドウ畑での植栽は24%の上昇(29,270ヘクタール)となる見込み。相場師でなく、しっかりとした評判の良い会社からの情報に基づくものなので、需要は今後も継続し、関連会社は手持ちのブドウ畑の拡大に留意するはずだ。暫く前までは、アワテレ・バレーでブドウ栽培をする人は誰もいなかったくらいだから、可能性はどこにでもある。だから、今後の気候次第でブドウ栽培に適するように、変化する可能性もある。だからスチュワートアイランドだってそのうちブドウ栽培に適した環境になるかも。」とウィックハム氏は述べる。

ニュージーランドワイン醸造者協会のブドウ苗の接ぎ枝基準を満たすブドウの苗を販売できるまでに育てるのはおよそ2年間の歳月と30段階が必要だ。フィロキセラと呼ばれるブドウの寄生虫のアブラムシが北アメリカから持ち込まれ、それが原因で1800年代にヨーロッパのワイン業界は破壊に追い込まれた。この時の経験から、この2年間という規定が設定された。北アメリカのブドウ種はアブラムシに強いため、ヨーロッパ人がアメリカ産の根系をヨーロッパ産の種類に接ぎ木をした(これはニュジーランドでも実践されている手法)。アメリカ産の根株とヨーロッパ種の穂木は一年間別々に栽培されてから、接ぎ木され、種苗場で育てられる。

時期的には11月から12月、この作業が行われ、翌年に接ぎ木された植物は6月ごろ掘り出され、査定さ、洗浄、梱包、発送される。現在も根っこにまだヨーロッパ種を持っている業者もいるが、アブラムシに襲われる危険性がある。」とウィックハム氏は語る。

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