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「ワイン愛好家は数十年後にはセントラル・オタゴ産のシラーやメルローが買えるようになるかもしれない」と、元セントラル・オタゴワイングロワーズ(COWGA)代表のジェームス・ダーシー氏は話す。
果実は甘みを増しブドウの樹の生長も早まり、今世紀の終わりにはブドウの成長期が長くなるだろう。
科学者クリス・キャメロン執筆、研究によるボディッカー・サイエンティフィックのレポート「セントラル・オタゴの過去、現在、未来」が先月リリースされた。
場所によっては霜が降りる日が約半分減り、一部地域では春と秋には霜が降りる日が無くなるとの予測がなされている。
今世紀末までに年間64日間夏日が増え、一日の最高気温は25度を超え、夏の最高気温は場所によっては5.8度上昇するとも予測されており、成長期が長くなることに繋がる。
一方、洪水やその他の天気事象が増えるとみられている。
「もし(年間平均)気温が上昇すると、より温暖な気候に向いているシラーやメルローなど異なったブドウ品種を栽培する機会が生まれる。セントラル・オタゴの気候はホークス・ベイに近いものとなり、成熟が早まるかもしれない。ピノノワールも引き続き栽培できるだろう。より標高の高い場所で栽培できる可能性もある。」とダーシー氏。
ダーシー氏はさらに次のように続けている。「セントラル・オタゴのワイン業界にとって、気候変動は栽培管理の変更は必要とされるが、極めてネガティブなものではない。変更にはより良い灌漑や保管方法の検討と新たな灌漑技術も含まれる。また、ワイナリーではワインの特徴を維持するため、異なった管理技術が必要とされる。一方ヴィンヤードは大雨や風、洪水などの増加により影響を受けるだろう。洪水にも対処しなければならない。多くの人々はもっと気候に恵まれない場所で農作物を栽培しているのでどのように行うかの知恵は溢れている。どんなことが起こっても我々は発展してゆく」
研究では、管理された状況下での大気炭酸ガス濃度が高くなった場合、果実の重量が最大45%増加しより早期に熟し色付きも増すという結果となった。