NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
05.11.2019
季節労働者ビザの発給増加:ワイン業界には良い動向

海外からの労働者へのビザ発給の増加はワイン業界には歓迎されているが、労働者不足の問題は解消していないようだ。

イアン・レスギャロウェイ移民大臣は、今後2年間で3150人分の季節労働者用のビザを発給すると最近発表した。ただし、ニュージーランド人が労働するためにも園芸とブドウ栽培部門が十分魅力あり、働きやすいと証明することが条件としている。

レスギャロウェイ氏は、「承認された季節雇用者(RSE)計画で現在の会計年度2019/20年で1,550のビザを発給され、それが会計年度2020/21年には1,660が認可される」と言う。
RSE労働者がどこに居住するかの規制も設けられているため、短期労働者のために賃貸市場から地元民が押し出されないような配慮がなされている。

「ワイン業界の成長と共に、この分野でより多くのニュージーランド人達が働けるような機会を造り上げるのを願っている。しかし同時に、太平洋地域にやってくる季節労働者への機会も依然として存在する」と前述のレスギャロウェイ氏は、マールボロ・エクスプレス紙のインタビューに答えている。

「今後の課題は給与だ。例えば交通手段や宿泊施設をニュージーランド人に供給するなどして、障壁を低くする。さらに、労働時間についても、パートタイムだったらワイン業界で働いてもいいと思う人もいるであろう。同様にRSE労働者たちの給与改善にも期待している。労働者たちがどこから来たかは問題ではないので、平等に支払われるべきだ」と述べている。

ワイン・マールボロの部長マーカス・ピッケンズ氏は、ビザ発給数の増加はワイン業界では歓迎される動きだとしている。

この発給増がいつまで継続して増加するか予測がつかないため、政府の要請を満たすために出来るだけのことをするつもりだ、ともピッケンズ氏は述べている。「RSEを利用する人たちは、大臣が掲げた条件にワイン業界は十分努力をしており、政府が掲示した要請に対し、かなりの改善を実践してきた」と、業界の努力を強調している。

RSEが導入された2007年から、ビザ発給数は順調に増加しているが、宿泊所建設などのリスクをワイン業界に従事する人たちは担うことになっている。しかし、このRSE計画でも、労働者不足は否めない。

現在の所、RSE計画は園芸とブドウ栽培に従事する労働人口の20%を満たしている、と移民大臣は語る。同大臣はブレナムにあるRSE労働者用の宿泊施設も訪問しており、「これこそが政府が望むような施設だ。とても素晴らしいし、こういった施設がもっと建設されることを望んでいる」との感想を述べている。

RSEの雇用主である、ヴァインパワー社の取締役のガス・ストルーサー氏は、「わが社の最大の投資は宿泊施設建設だった」と言う。ヴァインパワー社はセント・アンドリュー不動産グループとパートナーを組みRSE労働者用の宿泊施設を建設した。ストルーサー氏曰く、「宿泊施設は労働者を確保するための最大の保証だった。宿泊施設の建設はリスクともなり得るが、RSE計画を援助しなくてはならない。ビザ
の発給数の最大数は、想像していたよりも多かった。」

ニュージーランド・ワイン生産者協会の会長のフィリップ・グレガン氏は、「ビザの発給数の上限増を歓迎する。ワイン業界の最大の焦点はニュージーランド人に先ず職を提供する事だが、労働者は絶えずs不足している。RSE計画で労働者がもっと容易にアクセスが出来るようになって、これがワイン業界の後押しとなり、輸入増にも貢献している」と感想を述べている。
ニュージーランド・ワインの輸出額は2019年6月末の時点で18.3兆ドル。

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