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ドローンでの春の農薬散布と秋の施肥のおかげで、南島ムーテレに位置するエイベル・ワイナリーを夫婦で営むマーク・マッギル氏は「粘土質の土壌が保護され、作業時間と二酸化炭素排出量の削減となった。いつもなら、散布をするための車両で過ごさなくてはならない時間をもっとブドウの樹のキャノピー管理に使えた。以前は何時間もかかっていた散布作業が15分で完了」と今回の処女飛行の感想を述べた。
マッギル夫妻は、コスト削減と土壌への圧縮を減らすため、果樹園もブドウ畑もトラクターを使わない手法を使っている。今シーズンもマッギル氏はラバを使い、実験区域以外の区画に散布したが、ドローンを100%使えば、将来的にはエイベルの畝は人間とラバ以外は足を踏み入れないので、土壌の炭素隔離(空気中へ土壌の炭素が放出されないこと)が進み、水とブドウの木の浸透が促進され、ディーゼル燃料の使用量も大幅に削減できるとみている。
「ドローンは上空から散布し、浸透の角度が変わるが、ドローンからの落下でキャノピーが広がるので、散布効果は十分ある。ブドウの木が若く、キャノピーがあまりない私たちの畑と、キャノピーが多い古い畑の、2つの異なる地域のブドウ畑で試してみた。その結果、何が可能となるかをよく理解することができた。来年はもっと散布をする予定だ。」
エアボーン・ソリューションズ社のスコット・ホーガン氏は、上記のエイベル以外にも、ホークス・ベイのビランチア、バノックバーンのフェルトン・ロードなどと協同作業をしている。「ドローン散布は狭い畝、被覆作物、排出削減目標、非現実的な散布作業地などの問題解決になるだろう。自社でドローンを購入している企業もあれば、エイベルのように地元の業者を利用している企業もある。弊社が請け負ういくつかのブドウ栽培者は、ドローン応用したキャノピー管理計画の検討も始めている。これまでに協力したヴィンヤードは小規模だが、どんなヴィンヤードにもドローンは適している」とホーガン氏は考えている。
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