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NEW! 25.11.2025
ミシュランガイドがニュージーランドへ。導入に630万ドル投資

初のニュージーランド版ミシュランガイドの来年6月4日に発行予定に向けて、ニュージーランド政府観光局は、ミシュランと3年間のパートナーシップ締結したことを正式に発表した。このプロジェクトへの財政は外国人観光客からの税金と国庫からの財政で賄える、と観光局は踏んでいる。

ルイーズ・アップストン観光・ホスピタリティ大臣は「ミシュランがニュージーランド版の発行で、推定3万6千人の国際観光客増加が見込まれる」との希望的観測をしている。

現時点で、ミシュランガイドは約50の地域を網羅しているが、これまでオセアニア地域版は存在していなかった。

同ガイドの国際担当のグウェンダル・プーレネック氏は「プロジェクトは一年以上前に決定し、既に専任チームの配置決定している」と語るが、極秘主義で知られるミシュランは、派遣される審査員数、現地に常駐する審査員数、評価対象となるレストラン数などの詳細部分については、発表を差し控えている。

ニュージーランドレストラン協会の最新データによると、国内約2万軒の飲食店のうち、ガイドの対象地域に所在する店舗数は約12,783軒。その内訳はオークランドの7,785軒、カンタベリーの2,556軒、ウェリントンの2,058軒、クイーンズタウンの384軒だ。

「審査員が実際に訪問するレストランは、最終的に掲載される店舗よりもはるかに多い。ガイドに掲載されること自体が大きな成果だ。そして星を獲得することは、さらに上の次元で世界的な評価を受ける、と言えよう。査察官からの初期段階でのフィードバックでも既にニュージーランドには『独特の風味―世界の食文化に提供できる何か』があると指摘されている。地域文化や先住民文化に基づくローカルな影響力。そして地元の食材、地元のノウハウ。ミシュランガイドではこうした『本物力』を非常に重視している。国際的にガイド掲載を果たしたレストランの82%が収益増加を報告している。これは価格を上げるという意味ではなく、より多くの顧客を獲得し、時には高額消費客を呼び込むことに繋がる。ワインへの支出が増えるのも、ニュージーランドが持つ強みの一つのだと考えている。そこから波及効果が生まれることを期待している」とミシュランのプーレネック氏は語る。

しかし、まだ判定が出たわけでなく、ニュージーランドで星が付与される保証はまだない。

現在、世界中で三つ星を獲得しているのはわずか157軒のみ。これはわざわざ労をして、旅する価値がある卓越した料理を提供する店だという確証となる。二つ星(「優れた料理」)は514店、一つ星(「高品質な料理」)は3060店が受賞している。さらにコスパの良い店としての「ビブグルマン」には3458店が選出されている。この格付け以外にも、良質な食材を適切に調理した店を認める「ミシュラン・セレクション」に選ばれる可能性は残されている。

ミシュランとの提携はニュージーランドに「世界的に有名な売り」をもたらすと、ニュージーランド政府観光局最高経営責任者ド・モンシー氏は述べている。

ミシュラン評価の批判の中には、シェフが星を獲得・維持するために過度のプレッシャーを受ける懸念があるという向きもある。それに対して、オークランドのレストラン「パリ・バター」と南仏の1つ星レストラン「ル・プティ・レオン」を共同経営するニック・ハニーマンシェフ氏は、「ミシュランの星を得るための挑戦をしないのは英連邦競技大会に出場する選手に『君たちはオリンピック出場レベルの実力があっても、オリンピックには出場できないよ』と言うのに等しい。ニュージーランドのシェフとレストランは、それだけの実力があるから、それを体験に値する」と語った。

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