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気候変動が植物病害のリスクやコストへのどんな影響となるかがかわかる、無料の対話型ツールが現実となった。
この病害リスク・コスト検知ツールは、Our Land and Water National Science Challenge(2016年に発足されたニュージーランド国内の生態系保全と自然の恩恵からの価値を算出するために設立された機関)が作成した。システムにヴィンヤードの住所を入力するだけで、様々な気候変動シナリオでの、うどんこ病とボトリティスのリスク情報が入手可能だ。
その上に、今後数十年での気候変動が当該地で発生する植物病害の管理コストにどんな影響を及ぼすかを理解するのにも役立つ。「一言で言えば、未来への扉だ。気候への適応計画に役立ち、リンゴやワインの栽培者が、植物病害のリスクがどんな変化となるかという可能性や、そういった変化がコストにどのような影響を及ぼすのかを理解しやすい情報を提供できる」とニュージーランドの農業技術企業、ホートプラス社のディレクター、マイク・バーリー氏はこのツールの利点を説明する。
ホートプラス社と共同でこのツールを作り上げた機関は、ニュージーランド植物・食品研究所(病害モデル)、NIWA(気候モデル)、アグリビジネス経済研究ユニット社(経済モデル)、応用研究技術社(病害モデルレビュー)で、それぞれが得意分野での技術提供をしている。
1962年にニュージーランド議会の出資で設立された同国最初の応用経済コンサルティング会社のアグリビジネス・経済研究ユニットのジョン・サンダース研究員は、「このツールはGISリスクマッピングと気候、疾病、経済モデリングを組み合わせたユニークなものだ。ツールの目的は、未来が現実となる前に、将来的にどういう状況になるかを少しでも知ることだ。例えば、家を購入するならその前に、災害予測地図を前もって調べるように。園芸家も、植物病害の影響に関する豊富な情報を持つことが可能だ」と述べている。
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