NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
22.02.2015
ワイン博物館がマールボロ特集を組む

フランスの制作会社のグランド・アングル・プロダクションのクルーがマールボロ地域のワイン産業に焦点を当てた取材で同地を訪れている。グランド・アングル・プロダクションのエリック・ミショウー監督、ローラン・クルード映像監督、ジェラルディーン・クレモン助監督は先週、マールボロに到着し、ワイン醸造家、ブドウ栽培者などと、土壌の種類、サブ・リージョン、持続性のある農業、有機栽培、マールボロのワイン業界の歴史など、幅広いテーマでのインタビューの録画に忙しく走り回っている。

マールボロのワイン産業の著名人が6人インタビューを受け、その映像がボールドー地域に総額9300万ドルを投じたワイン博物館で来年展示される。インタビュー予定の6名の著名人には、クロ・アンリのワイン醸造家でのオペレーション最高責任者のダミアン・イヴォン氏、マールボロ有機ブドウ栽培者のバート・アーンスト氏、ハンターワインのワイン醸造家のジェームス・マクドナルド氏、クラウド・ベイ・ヴィンヤードのワイン醸造家のニック・ブランピード・レーン氏、ノーチラス・エステイトのワイン醸造家兼マネージャーのクライヴ・ジョーンズ氏(彼はワイン・マールボロの取締役も兼任している)と、ペルノ・リカール・ニュージーランド・マルボローワイン醸造家のジェーイミー・マーフェル氏などの名が挙がっている。

Cite Des Civilisations Du Vin(ワイン文化都市)と名付けられたワイン博物館の女性スポークスは「マールボロはテロワーのテーブル(環境状態)の展示で扱われ、世界中でたった9名のワイン醸造家を特集することとなる。 博物館はボルドーに存在するが、ボルドーだけを特集するのではなく、世界中の代表的なワイン紹介を目的としている。博物館の目標は、歴史と地域を超えた人間とワインの密接なかかわりを描写し、一般の人にワインは単なる飲み物の一つではなく、文化的遺産、歴史の一部、地理、科学、神話、宗教であり、自然や芸術家のインスピレーションのように人間を繋げてきたものだ、ということを示唆することにあると語る。

14,000平方メートルの面積を持つこの博物館は試飲室への訪問を含んだ文化ツアー、が出来、その上、会議室、映画館、レストラン、ショップ、図書館も併設している。毎年40万人以上の来訪者を予想している、とは前述のスポークスマンの言葉。

ハンターのワイン醸造家のジェームス・マクドナルド氏は「世界でも名だたるブドウの生産地で、マールボロの名前を響かせることが出来るとても良い機会だ。ボルドーはワイン世界の中心地で、その影響力は大変大きい。情報の発信が逆、というのはちょっと面白い。本来なら、こちらからフランスに行って売り込むのだろうが、これはフランスが乗り込んで来て、情報収集している。こちらが情報発信というのもいい気分だ」と感想を述べた。
グランド・アングル・プロダクションの助監督のジェラルディン・クレモント氏は、「ニュージーランド・ワインと言うと、フランス人が頭に浮かべるのはマールボロなので、この地方での撮影決定が下された。クラウディ・ベイは誰でもが知っているので、マールボロとなった。世界中の他のワイン生産地と比べて、マールボロのワイン産業は比較的歴史の浅いため、比較には非常に格好の地域だ。特にフランスのように歴史が古く、既に確立したワイン産業と比べるには、まだ若いマールボロのような地域を成功例として出すのには非常にいい比較効果がある。」

撮影クルーはヘリコプターでの空中撮影終了後、次の訪問先のオーストラリアに向かう。

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