NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
01.11.2015
ニュージーランド・スパークリングワインには長期的ヴィジョンが必要

ニュージーランド・ソーヴィニヨンの最も有名な生産者、クラウディ・ベイが30周年を祝っている。
そんな中、エステート・ディレクターのイアン・モーデン氏は、マールボロにはスパークリングワインに対するポテンシャルがあると話す。

モエ・エ・シャンドンやヴーヴ・クリコなどのシャンパンメゾンを有するLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)社が所有、クラウディ・ベイのスパークリングワイン、ペロリュスはニュージーランド・スパークリングの代表格。マールボロ唯一のスパークリング専門のワイナリー、No.1ファミリー・エステートもマールボロのスパークリングワインが成功し得ることを実証しているが、ソーヴィニヨンブランに注力する生産者の中にはスパークリングワインへの労力が報われないところもある。

マールボロが早飲みタイプのソーヴィニヨンブランの生産者として成功していることが、長期的な視野でのスパークリングワインの可能性を妨げているのだろうか?

「世界中の他のワイン産地に比べ、ニュージーランドではソーヴィニヨンブランが特別な観点で捉えられている。収穫から醸造と販売が同年に行われる品種というのは、特殊なビジネスモデルである」とモーデン氏はコメントしている。

マールボロのソーヴィニヨンブランは収穫から数ヶ月後に流通することが多い。
一方フランスのシャンパーニュ地方では、緻密にブレンドされたノンヴィンテージワインを造るため、何年もかけてリザーヴワインを造り続ける必要がある。
さらにはシャンパーニュ地方ではノンヴィンテージワインを生産するのに最低15ヶ月の瓶内熟成が義務づけられており、ヴィンテージワインにおいては3年間の瓶内熟成が必要。
「スパークリングワインは長期戦を強いられるため、長期的ヴィジョンが求められる」と、モーデン氏。

1985年にデヴィッド・ホーネン氏が設立、クラウディ・ベイはソーヴィニヨンブランにフォーカスし続けているが、ピノノワールとシャルドネも生産している。
マールボロの他の生産者はシラーやグリューナー・フェルトリーナーや他のアロマティック品種も栽培しているが、クラウディ・ベイは種類を増やす予定は無い。
モーデン氏によると「よい品質のブドウが栽培可能な品種にこだわっている」とのこと。

では30年後はどうなるのか?
「劇的な変化を遂げるつもりは無いが、進化を続けていく。限られた資源を有するマールボロにとって非常に興味深い時期である。」

マールボロに指状に広がる渓谷地帯には見渡す限りブドウ畑が広がっており、未植樹のヴィンヤードもこれ以上自由に植樹できる場所は無い。モーデン氏は次のように続ける。
「ブドウ栽培には非常に適した土地に恵まれているが、無駄な使い方をしていることも事実。畝間が広いのでトラクターを使用できる。しかし今後植樹するスペースは少ないので、方法は変わるだろう。より効率良く土地を活用し、その場所にとって最適な栽培に焦点を当てることになるだろう」

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