NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
19.02.2012
ニュージーランド発・世界初の研究成果:酵母がワインの地域差を作る?

気候や土壌、地理的条件がワイン造りに大きな影響を与え、ワインの特徴を形成することは、フランスのテロールという概念からも良く知られている。このたびオークランド大学の生物化学学科のヴェルミール・ガヤヴスキーとマシュー・ゴッダ-ド両博士が、ニュージーランドワイン製造者と科学省の助成金を得て、世界初のワイン醸造に使われる酵母の研究成果を発表した。この研究によると、シラーとシャルドネの葡萄で見つかった「野生」、または「土着」の酵母はニュージーランドの3つの異なる地域に相当する違いがあるという。

野生酵母はブドウやブドウ畑に自然に存在するもので、自然の力でブドウをワインに変える。だが、最近では大量にワインを作る際には、予想つきやすく、かつ安定した生産が望める培養酵母を混入するのが普通となってきている。

酵母がワインの香りや味に影響を与える重要な要素であることは良く知られてはいたが、今回の研究で地域差のあることが明確となった。特定地域の特徴を持ったワインを造りたいとすると、その特定地域の酵母を使い、後は昔ながらの自然に任せて発酵させるといったことも可能となる。ゴッダ-ド博士は、「酵母がワイン造りに与える影響は、ニュージーランドに限ったことではないであろうが、この発見は特徴あるワイン造りで、どういった酵母が香りや味に影響を与えるかがわかるようになると、地域性を引き立たせる要因を操って、より特色のあるニュージーランドワイン造りへの『道具』を与えることになるだろう」と語る。

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