NZワインニュース一覧
「ワインの中に魚が入っている」とソムリエに文句を言う人はいないが、思いがけないものがワインに含まれている可能性はある。含有物はたいていのボトルに銘記されているので、御用の向きは見て頂きたい。卵や牛乳がそれである。動物性製品由来の含有物(主に牛乳が原材料のカゼイン、卵白から作られたアブミン、魚の浮袋や牛の蹄や腱由来のアイシングラスなど)がワインの清澄剤として使われるが、その痕跡はワインにはもちろんない。
わざわざそんなことをラベルに表示する必要があるのか、と疑問に思う節もあるであろう。これは特定の製品にアレルギー反応が出る人だけでなく、ワインは欲しいが、純菜食主義者(ヴィーガン)で、跡が残らなくとも、動物由来のものが使われたというだけで、どうしても気になってしまう人のためなのである。
ワインの透明度を上げるために代替物を探し求め(例えば粘土の一種のベントナイト)、通常より長く時間をかけて清澄化工程を経て、自然に精度を増すようになったワインが求められている。こういったワインは、まさに純菜食主義者の人向けに、ラベルに堂々と銘記して売り込むことが出来る新たな市場を産み出している。
南島のネルソン近辺に位置するブラッケンブルック・ヴィンヤードは今年、菜食者協会のお墨付きのソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ、ロゼを販売し、来年はゲヴェルツトラミナー、マスカット、シャルドネがこれに加わる予定。
オーナーのダニエル・シュワルツェンバッハ氏はこのワインについて「渋さや不必要な成分を取り除くのに動物性由来のものが使われているのを知っている人はあまり多くいない。弊社のワイナリーはやさしいワイン造りをすることを心がけているので、清澄化の必要がない。人間が出来るだけ余分な手助けをせずに、葡萄に話させる、というのがうちのワイナリーの哲学」と言う。ニュージーランド国内では、こういった認定された方法で純菜食主義者用のワインを製造し認定を受けているのは3社のみ。
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