NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
01.10.2013
葡萄畑:好天候に後押しされる

マールボロ地域は歴史的に暖かい冬の影響で昨年に比べ10日も早くシャルドネの萌芽が観測されている。植物・食糧研究所の研究員ロブ・アグニュー氏は「一時的な寒波の影響で平均気温は変動したものの、先月は過去82年間で最も温暖な8月となった。過去3ヶ月の気温は気象記録史上に残る暖かさとなり、8月の平均気温は過去の9月平均気温よりも高めとなった。葡萄の蕾がもう出始めたこと自体は不思議には思わない。例年の9月の暖かさが8月に既に到来した」と言う。

ワイン・マールボロ会長のドミニック・ペチェニーノ氏は「ワオライ・ヴァリーの上流を含めて、当地では昨年より10日も早く葡萄の蕾が出始めている。ハッメリック・ロードのシャルドネは、もうポップコーンのような状態になっていて、蕾がほころび始めている。温暖だった8月から霜の降りる時期となるのはマールボロでは珍しいことではなく、苗に悪影響が出ないよう霜対策を万全にしている。毎年あることで、長年の経験から、どういう対処が必要かよく知っている」と驚いた様子もない。

シャルドネが春の到来に最初に反応する種類であり、葡萄畑の位置、葡萄株の年、分枝系の種類、テロワール等全ての要因が蕾の開くタイミングに関係してくる。シャルドネ種がマールボロの蕾のほころびが最も顕著な種類で、その後にソーヴィニヨン・ブランが2~4週間遅れてほころび始める、とペチェニーノ氏は説明する。

タスマン・クロップ社で技術代表を務めるジェフ・フェンウィック氏によると「少しでも蕾が開花するのを遅くし、南からの寒波からの影響を軽減できるよう、霜の降りない、長めの涼しい期間を葡萄栽培者は期待している。霜に当たった蕾は黒くなり、朽ちてしまうからだ。その間に次の蕾が膨らみ始めるが、それは最初の蕾ほど生産的でなく、季節の後半に形の整わない果実をつけてしまう」。

気候科学者のスチュー・ポール氏は、過度に早期に蕾が膨らんでいたところへ、先週2日間続いた寒波となり、かなりの心配したというワイラウ・ヴァリーの葡萄畑のオーナーがから何件かの問い合わせを先週後半に受けた、と語る。「寒冷地区での軽い霜が長期的に続くような寒波は『想定内』である」、とも付け加えている。アワテレ・ヴァレーの開花は、ワイラウ・ヴァレーより通常10日ほど遅いのが普通でトーフー・マルボローグループの葡萄畑の責任者のモンド・コプア氏は、同社のアワテレとワイホパイ・ヴァレーのシャルドネ用の葡萄はまだ初期段階の成長しか見られないという。

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