NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
21.09.2014
元プロ・サイクリスト、ワイン売りとなる

登り坂での何時間もの自転車練習、ごくわずかな給料、高速で激突するのも日常茶飯事な仕事から、若いニュージーランド人のプロサイクリストは、「もっと人生を楽しまなくてはならない」と言う結論に。そして、彼はフランスでワインに出会った。

「どちらかと言うといつもゴールを持っていないといられない性格で、それがないとすぐ退屈してしまうんだ」とアメリカを本拠地にするニュージーランド人のプロ・ロードサイクルチーム、ピュア・ブラック・レーシングチームの一員として活躍していたラングランド氏(27歳)は言う。

ケンブリッジの酪農牧場で育った彼は、学校を卒業するとすぐ、ロード・レーシングにフルタイムで参加し、2005年にあっという間にフランスでの世界・チャンピオンシップへの参加資格を獲得した。しかし実際のレース前の練習中の事故で首と背中を数か所骨折という怪我を負ってしまった。救急車が到着するまで道路に横たわりながら「こんなことやっている人生でいいのか」と考えていた。

しかし、怪我から回復すると南フランスで2年間のレース生活送り、その間にワインと出会うことなる。「ボルドー近くに住んでいたので、ワインに恋をしてしまった。レースをやめたら、ワインに関係することがしたい、と思った。」休暇の度にマーティンボローのブドウ畑で働き、毎日が楽しいと感じ、危険が伴う上に練習もきついサイクリング人生に終止符をうつことを決心した。

専門学校の公開講座でワイン科学を受講し、マーティンボローのテ・カイランガのブドウ畑で手伝いの仕事を始めた。このブドウ畑は最近アメリカ人の富豪ビル・フォーリー氏に買収されてから、転職がもっと道理にかなった選択肢となってきた。それでも自転車乗りの習慣はすっかり身についているラングランド氏は、毎日仕事先のブドウ畑に往復20キロの道のりを自転車で通勤している。

ワインと関わるようになっても、彼には新しい挑戦が必要で、今年3月にワナカのモタタプでのオフロード・トライアスロンに参加した。年齢別グループで4位となったことが拍車となり、今年初めて開催されるトラ・チャレンジにも参加を予定している。約850人が登録完了しており、32キロのオフロード・レースは参加者は走っても、おおむね3日かけて歩くことも可能な競技。ラングランド氏の目標は4時間以内でのゴールをめざしている。「運動は人生での目標と同じで、探検をして、何が見つかるかやってみよう、という意気込みを持っている」と語る。

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