NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
17.10.2022
ニュージーランドにおけるワイン産業の将来を見据えた新たな研究

ブレナムの新たな実験的ブドウ畑は、将来的にニュージーランドのワイン産業への高品質なブドウの供給強化に貢献することになる。

ニュージーランドワインセンター(テ・ポカプ・ワイナ・オ・アオテアロア)内の新しい実験施設、エクスペリメンタル・フューチャー・ヴィンヤードは、ワイン用ブドウの生産に関する研究のための独自のリソースを提供する予定だ。

プラント&フード・リサーチ社が運営するエクスペリメンタル・フューチャー・ヴィンヤードは、環境に配慮した新しい栽培方法を開発することで、ニュージーランドワイン部門の生産性と品質の向上をサポートする。

新しい施設は600平方メートルのシェルター内に設置され、研究者はブドウ畑の環境をコントロールし、ワイン産業が将来の課題に備えるための知識を構築することができる。

この施設では、ブドウの木の内部や土の下で研究を行うことができ、研究者は土壌の種類や温度、水源の有無などの環境状態をコントロールすることが可能となる。

「テ・ポカプ・ワイナ・オ・アオテアロアの一員になれることを嬉しく思う」と、プラント&フード・リサーチ社のブドウ栽培・醸造学サイエンス・グループリーダーであるダミアン・マーティン博士は話す。

「気候変動により日中の気温が上昇し、より多くの害虫や病害がニュージーランドに定着することで、ニュージーランドにおけるワイン生産が直面している問題がさらに大きくなることは目に見えている」

「また、消費者の期待は膨らみ続け、サステナビリティへの関心が高まっていることも承知している。」

「ワインメーカーが環境的、経済的、社会的な要求を満たすことができる優れた品質のブドウの栽培方法を理解することで、ワイン産業は成長を続けることができる」

プラント&フード・リサーチ社の科学者、ジュリアン・テオバルドは、すぐには適用できないかもしれないが、この施設により将来を見据えた新しい研究プログラムを開発し、ワイン業界が潜在的な生産リスクを回避し、環境を守り、気候変動の影響を軽減できるよう協力していくと語る。

「我々はまた、技術開発者が研究チームと共同で開発を行い、ワイン用ブドウの生産効率を長期的に向上させる新たな方法を生み出すことにも期待している」

プラント&フード・リサーチ社は、マールボロ研究センター、国や地方自治体、ニュージーランドのワイン業界と共同で施設の運営と研究プログラムの開発を行うと共に、ネルソン・マールボロ工科大学(NMIT)テ・プケンガ校を通じて学生に機会を提供する予定。

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