NZワインニュース一覧
ニュージーランドワインの愛好家には悪い知らせとなりそうだ。もともと収穫量も少ないうえに国際的にも大量需要のあるニュージーランド産ワインが来年品不足になる可能性が大きくなった。
運送費と労働賃金の値上がりで既に窮地に面しているワイナリーは、ワイン価格の上昇も視野に入る可能性が高い。
ニュージーランド・ワイングロワーズのクライブ・ジョーンズ会長は「世界的に見ても、需要が増大し、ワイン不足を抱えている」と述べている
悪天候が大いに影響し、今年のブドウ収穫量は昨年比19パーセント減となった。ネルソンなどの地域は遅めの霜とクリスマス後には雹の嵐にも見舞われてしまった。
ソーヴィニヨン・ブランは依然としてニュージ―ランドで一番人気のワインで、生産量の4分の3を占めている。しかし今年は、全体で昨年度比の18パーセント減となり、ピノ・グリは27パーセント減、ピノ・ノワールに至っては最も影響を受けての34パーセント減という結果だった。
最近、マッド・ハウス・ワイナリーはイギリスとEU市場向けに、チリのブドウを使用した新たなワイン製品の展開を開始した。その動きの背景には、十分な量のニュージーランド産のブドウを入手できなかったということがあった。時期の収穫を前に、ジョーンズ氏は、大半のワイナリーでタンクが空となり、お好みのワインにありつけない顧客も出てくるだろう」、と予測している。
「新たな収穫を待ってはいるが、半年後ぐらいには製品が足りなくなってしまうことになるかもしれない」とも語る。
ネルソンのサイフリード・エステート・ワイナリーのクリス・サイフリード氏は、「需要に見合うだけのブドウを植えてはいる。ソーヴィニヨン・ブランは特に需要が大きい」と述べる。
「このワインこそニュージーランドのワインとして知られているからだ。みんなが興味を示すのがこれだ。ニュージーランドでは世界中の他の地域ではできない事をして生産している」と言う。
配送の大幅な遅れや労働者不足もまたワイン業界には大きなハードルとなっている。
「当社はワインの値上げも視野に入れている。しかしそれと同時に、店舗での棚に手ごろな価格帯のワインとして残るようにしなければならない。高めのワインだからと棚から降ろされるようなことは避けなくてはならない」、とサイフリード氏は言う。
「ビジネスではやりくりが必須だ。全てのコストが高騰しているので、ワイナリーはもっとリターンを上げることが必要となる」とマールボロ・ワインのマーカス・ピケンズ氏は言う。
マールボローでの人員不足により、ブドウの10%が剪定が間に合わず、ワイン業界は現在すでに来年の収穫についてどうなるかを懸念し始めている。
「理想的な時期以内に剪定を終了できないなんて、これまでにはなかった事だ」とピッケンズ氏は述べる。
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