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フルーガル・ボトルは、化学物質を含有しない2枚の平らな再生板紙を、通常のワインボトル型に成型し、内部には箱入りワインに使用される食品向け素材のパウチを組み込んで作られている。
このボトルは83gという超軽量で標準的なガラス瓶(440g)の1/5の重さしかなく、持ち運びが簡単で輸送も楽だ。英国では2020年から発売されている。ニュージーランドでも新興企業がこのボトルに入ったジンを既に発売開始している。また同国のワイン生産者からも年間700万本の注文の引き合いを受けている、と英国のFrugalpac社の最高経営責任者マルコム・ウォー氏は語る。
Frugalpac社はパンチボウル・パッケージング社と協力し、ニュージーランド国内でボトル製造できるように、フルーガル・ボトル組み立て機械への投資を検討している。「ニュージーランドでボトル生産となれば、二酸化炭素排出量はさらに削減できるだけでなく、ワイン生産者は地元の印刷・製紙業者を利用することができる。ボトル製造から充填、キャッピング、梱包まで、国内で一貫したサービスを提供が可能だ」とウォー氏は言う。
内部パウチは、ポリエチレン・アルミ蒸着ポリエステルでラミネートされ、箱入りワインに使われているのと同じ材質だ。新型コロナが大流行する中、ワイン生産者の中には新しい形態のボトル発売に躊躇する機運もあったが、発売前の世論調査では、ワイン愛飲者の63%が紙ボトルのワインを購入する、と回答しており、「需要があることは分かっていた」とウォー氏は強気のコメント。
現在、世界中で30以上のブランドがワイン、スピリッツ、オリーブオイル製品にFrugal ボトルを使用している。ドイツで開催された2023年のProWeinワイン見本市では、8つのワインとスピリッツブランドが紙ボトルを使用していた。
「飲料業界がより持続可能で軽量なパッケージへの移行を望んでいることは明確だ。私たちが引き起こしている紙ボトル革命に参加したいという問い合わせが殺到している」とウォー氏は言う。
ゆりかごから墓場まで
ライフサイクル分析を手掛ける独立機関が、鉱物採掘、製造、輸送、流通、ボトル充填、リサイク焼却を含む、すべてのボトルの「ゆりかごから墓場まで」のライフサイクルを調べた。この調査では、フルーガル・ボトルをガラスやPETプラスチック製のボトルと並べて試験した結果、次のことがわかった。
- フルーガル・ボトルのカーボンフット・プリントは91.9g - CO2eと最も低く、輸入ガラスボトル(558.2g-CO2e)より84%低く、100%リサイクル・プラスチック製ボトル(138.6g - CO2e)より34%低い。
- フルーガル・ボトルのウォーターフット・プリントは、ガラスより75%低い。英国製の345gの軽量ガラス瓶製造には2.5リットルの水が必要だが、フルーガル・ボトルはわずか0.6リットルで製造できる。
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