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ブルックフィールズ・ワイナリーの敷地に入った瞬間、世の中に雑踏を後に、穏やかでゆったりとした空間に足を踏み入れたような気分に浸る。
このホークス・ベイ最古のブティック・ワイナリーは、2023年2月にニュージーランド全域を襲ったサイクロン「ガブリエル」の被害で、閉鎖を余儀なくされた。それから約7ヵ月、目を見張る、確固たる建物で、セラー・ドアーとレストランを再開した。
1977年以来、パートナーのシャロンと娘と3人でワイナリーを経営してきたオーナーのピーター・ロバートソン氏は、「新たな戦いの日に戻ってきた気分だ、難題を克服することを好む性格で、私の人生そのものを表している。
とはいえ、ガブリエルからの洪水の被害は想定外だった。今年のサイクロンほどの大打撃を被るとは夢にも思っていなかった。甚大な被害を受けたが、ここよりもっとひどい被害を受けた人たちもいた。信じられないことだ。ワイナリーもブドウ畑も、何もかもが水浸しになってしまった。復興への道のりは、とにかく、一歩一歩、牛歩のように問題をこなしていくしかなかった。全体像を把握するのも困難な状況だった」。
幸いなことに、ワイナリーへの泥の流入は少なかったが、肥料工場からの化学物質が流れ込んだため、ポンプやモーター、床や表面は全交換か、専門の業者の清掃が必要だった。
「地元コミュニティの支援がとにかく素晴らしかった。最初に着手したのは、4,500本のワインを掘り起こすことだった。企業やワイナリーのボランティアたちが、ボトルをすすぎ、消毒してくれ、大変助かった。業界での横のつながりは、友愛的で、相互援助の精神を持つホークス・ベイの他のワイナリーの人たちも協力してくれた。ワイン業界の仲間たちはこぞって私たちの復帰を喜んでくれている。ブドウの木は芽吹く寸前で、成長は軌道に乗っている。ぜひともここを訪ねて試して欲しい」、とロバートソン氏は地元への感謝を強く語る。
娘のレイチェルがセラードアの運営に専念している間、ミッツィ&トゥイン・ケータリングがレストランを経営し、多彩で美味しいタパスタイルのメニューを提供し、共に復活に胸を躍らせている。
「再開してまだ3週間しか経っていないが、応援してくれた地域の皆さんに本当に感謝している。この6ヵ月半の間、一緒にいてくれた素晴らしいスタッフたちにも心から感謝している。清掃から、ペンキ塗り、庭仕事など、ありとあらゆる作業をこなしてくれたスタッフのおかげでここまで復興できた。再開が出来てとても嬉しい」と、レストラン・マネジャーは語った。
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