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今年3月のニュージーランド・ワインの輸出額は驚嘆とも言える17%増となった。この絶好調からいくつかの疑問点が出て来た。急成長を引き起こした要因は?この成長が継続すると仮定すると、将来の需要に見合うだけの生産量の確保は可能であろうか。
今回の販売高の大飛躍はソーヴィニヨン・ブランの大きな伸びに起因するとはほぼ想定できる。ソーヴィニヨン・ブランは現時点で全ワイン輸出の87%を占めている。今後もソーヴィニヨン・ブランの販売量は順調に伸び、直近の比較では2020年2月から8%増加となっている。他のワインは同期間では大半販売額減となっていた。
2019年の最高の品質となったマールボロー産ソーヴィニヨン・ブランが今回の需要増の要因かも知れない。そうだとすると、2020年の高品質の収穫が今後の販売への刺激となると容易に予想できる。ソーヴィニヨン・ブランの輸出は大規模生産者がほぼ独占し、大部分の生産をレストランなどではなく小売り業者を通して販売しているため、新型コロナウィルスの悪影響は少ない。国内向け販売でも規模は劣るが同様のことが言えるであろう。
今回の取材で出会ったソーヴィニヨン・ブラン種のワイン製造業者は、2019年のソーヴィニヨン・ブランはこの売上を鑑みると6月までには売り切れてしまうだろうと語る。通常11月、12月が売り切れ時期だったこの数年とは段違いだ。
2020年度の収穫が今後の輸出への需要をどれ程満たせるかに大きく影響する。マールボローは2014年の好販売の記録を塗り替えることは恐らくないだろうが、現段階の初期予想では昨年並みの40万トンぐらいの規模にはなると予想されている。万が一需要が供給を上回ると、価格への影響となり価格上昇もあり得る。
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