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陽ざしの強いワイラパパは乾燥しきっている。牧羊業者には悪い状況だがワイナリーには良い兆候だ。
これまでの穏やかな春と暖かな夏の夜の延長で、今週の気温は30度台前半にまで上昇した。
「昨年の収穫に悪影響を与えた霜を填補してくれる収穫になることを願っている。昨年は霜の被害の上に、12月の開花時期も非常に気温が低かったのが影響で、収穫に響いてしまった。今年の開花期は、昨年に比べて安定している。その上に果実が育つ時期にはかなり期待が持てそうだ。まだはっきりとした予想はできないが、通常の収穫ぐらいにはなると踏んでいる。現在のところ順調に進んでいるが、収穫を始めないとまだまだ油断は禁物。恐らく2月後半か3月初旬はもっと明確に予想がたつと踏んでいる」と、マーティンボロ―のパリサー・エステイトの責任者を務めるピップ・グッドウィン氏は語る。
マーティンボローの南方面にあるユリカ―・エステートでは、昨年は何と86%ものブドウが悪天候でやられてしまった。しかし、今年は豊作で質のいい収穫になりそうだ。
「今年はこれまでのところ、夢のような年だ。果実の質は、驚嘆するぐらい素晴らしく成長している。最近の高温度が熟成の鍵となっているが、同時に温度が高いということはサイクロンの可能性もある。今月前半には短いスコールもあり、シーズン後半にも可能性がある。温度上昇は、太平洋からのエネルギーがもっと発生し、サイクロンの危険性が出てくる。そのため天候には常に目を光らせている」と同ワイナリーのワインメーカーのマーティン・ベル氏は言う。
雨が降っても果実がすぐ乾燥するように、ブドウ畑ではブドウの植え込みに空気が通過できる様に留意している。暖かめの日や涼しい夜はブドウに甘さと色を与える要素となる。ワイララパ・ワイン醸造者協会のタニア・ディヤング氏は、「今月初旬の天候はどんよりとし、涼しい夜だったので、これは病気の危険性を低くし、味にも好影響を与えることになるだろう。こういった天候は味と酸性を約束 してくれる。これからは、大量の雨は降って欲しくない。時折のお湿りはいい。その後に風が出て、温度がさほど上がらなければ、それもブドウたちにはいい影響を与えてくれる。暖かいが、湿気のあるような状況は望まない」と語る。
ベル氏、グッドウィン氏共に口を合わせ、「毎年恒例の頭痛の種となるブドウ摘みをする労働者不足問題は打開していない」と言う。
契約労働者やバックパッカーの若い旅行者などに頼ってはいるが、「例年十分な人数の確保が難しい、というのが現実だ」とグッドウィン氏は打ち明けた。
中には規模拡大したブドウ畑もあり、労働者不足がさらに深刻となった。
小規模のブドウ畑では、それなら、と友人や家族を招いて、一日畑で働いてもらい、その代わりに出来上がったワイン数本と、美味しい食事を提供して労働者不足を解消している所もある、とベル氏は言う。
「今シーズンには100人の労働者が必要だったが、それだけの労働者を確保するのは非常に大変だった。地元の人はブドウ畑では働きたがらない。重労働だからだ。そして、旅行者は必ずしも必要な時に十分滞在しない」とBJ ヴィンヤード・コントラクター社のマネージャーをする、ジョ―ル・ベアリー氏はいう。
中にはフィージーの労働者向けの募集広告を打っているブドウ畑もある。しかし、短期労働者のための宿泊施設不足と言う問題もある。
「ブドウ畑で働く労働者に自宅を貸したがらないのだ」とベアリー氏は残念そうに語っていた。
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