NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
27.10.2014
値段より質!とニュージーランドの消費者

価格がワイン購入の決定打ではない」とニュージーランドのワイン消費者たちが思うまでに洗練されてきた、とは最近の大手スーパーマーケットのニューワールドの調査結果。

同マーケットの酒類購買マネージャーを務めるブレンドン・ロウリー氏は「ニュージーランドでのワイン消費者がワインを購入する時に値段より質を重視し、その上、好みのワイン銘柄8-12種の中から選択する傾向があり、これは数年前の調査結果に比べてワイン愛飲者の味覚と知識が以前より洗練されていることを象徴している」と述べている。この傾向の要因の一つには、最近とみに人気のあるテレビの料理番組や「上昇志向の料理大好き一般人シェフ」の存在が貢献している、と見ている。その結果、安価なワインより、美味しい食事に合った高品質のワインを求める人が増加している。

「消費者は以前に比べ、識別力がつけているのは間違いないことである。安価より良い品質のワインを求めている。我々の調査でもテレビなどで影響されたホーム・シェフ熱が大いに影響を及ぼし、自宅で調理した美味しい食事により質のいいワインを求める傾向になっている。」

ニューワールドでは毎年ニューワールド・ワイン賞を選出している。今年も、小売価格25ドル以下(さらに最低6,000ボトル以上の販売可能なワイン)のワインが1165本エントリーするという記録的なコンペティションとなり、ニュージーランド国内・国外からの13人の審査員が参加した。金賞を授与したワインは、受賞が発表されるや否や、完売になるほど。ロウリー氏は、「こういった販売パターンからも見ても、高価格のワインの成長率が高く、この傾向は今後数年継続すると予測している」と言う。

ニュージーランド人の約85%がスーパーでワインを購入するため、この調査結果は注目に値する。こういった現象に関し、「消費者とワイン産業の見地からすると非常に好ましい兆候だ。消費者がワインの質に関心を持っている、というのは産業にもプラスとなる。それでも価格は購買判断を下す要素の一つではあるが、主要要因ではない。例えば2012年のマイン・ディヴァイド・ピノ・ノワールと2013年マッド・ハウス・ピノ・ノワールが好きだとする。両者とも本年、金賞を獲得し、一ドルの価格差しかない、とすると価格の要因が入り込んでくることにはなるだろうがね」とローリー氏は言う。さらに氏は「ワイン賞と顧客行動からみたもう一つの傾向を示唆すると、ピノ・ノワール生産と消費の伸びとなっている。ピノ・ノワールはニュージーランドを有名にしたワインであるが、より入手しやすい価格での素晴らしいピノ・ノワールが沢山出てきている。新世界のワインカテゴリーのワイン賞では過去3-4年までさえ、最高50位のワインにピノ・ノワールが一本ぐらいしか入賞しなかった。弊社のワイン賞への参加資格を小売価格25ドル以下と設定しているので、ちょっと前まではピノでこの価格帯のものはあまりなく、高価で手が届かないようなものばかりだった。反面今年の出品上位50ワインの中に8つのピノ・ノワールが入賞し、しかも、金メダル水準に達しているとの結論となった。その中には今年の赤の部門で優勝した2013年・シースル・リッジ・ピノ・ノワールも含まれている。弊社のワイン賞への認識が高くなるにつれて、素晴らしいワインがどんどん参加してきている。このシッスル・リッジワインは小売価格が一本21.99ドルで、この高品質のピノがこの価格で飲めるのは、お買い得だ。」

金賞受賞ワインの価格が20ドル前後でも、ニュージーランド産ワインは、チリ、スペイン・アルゼンチン、南アフリカなどと競合すると、低価格ワインに負けてしまう。

「ニュージーランドのワイン業界は量より質を重んじるように常に努力してきた。最高のワインを作りことを常に心がけてきており、これは私が知り合ったワイン・メーカーの人が口をそろえて言ってきたことだ」とローリー氏は語る。

「他の国では、ブドウ畑を拡張し大量に作ることを考えていたりするが、ニュージーランドのワイン業界は質へのこだわりと持っていた。そうだからこそ、ツーリズムやニュージーランドのきれいで、グリーンと言というメーイジが国際的に知られるようになった。」

ニューワールドの研究によると、ソーヴィニヨン・ブランはいまだに白ワインでは一番人気で、引き続きピノ・グリとシャルドネが続いているが、ピノ・グリは一番成長率の高いワインとなっている。赤ワインではメルロー主流ワインがやはり継続して一番人気となっており、次がカベルネ主流ワイン、さらにピノ・ノワールは伸び率が赤ワインでは一番、となっている。

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