NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
03.08.2014
イギリスでのニュージーランド産ワイン人気上昇

全世界ワイン生産量の1%にしかすぎないニュージーランド産ワインが、イギリスでは大人気を博しており、最高品種の価格帯での販売量が急騰している。

イギリス国内でのワインの平均価格は5ポンド(日本円で870円)のところ、7ポンド(1200円)以上の価格帯では競合であるオーストラリア産ワインをニュージーランド産ワインが追い抜き18%の販売シェアとなっている。

昨年の1200円以上のカテゴリーの販売総数は685万ケースから820万ケースと上向きとなり(16%の上昇)、ニュージーランド産ワインは同カテゴリーで31%の増加で、実績販売量は102万ケースから147万ケースとなった。その反面、フランスの販売量の伸びは11%に留まっているが、マーケットシェアではまだ余裕の28%を維持している。

ニュージーランドで家族経営としては最大のワイン会社、ヴィラ・マリアの創始者のジョージ・フィストニッチ卿は「ニュージーランド産ワインがイギリスでの販売量のトップになるのは時間の問題だ。10年後のことになるかもしれないが、その可能性は大きく、きっと成し遂げる」と地元のメディアに公言している。

ニュージーランド・ワイン生産者協会の世界市場ディレクターのクリス・ヨーク氏は「世界的に見て、イギリスは非常に洗練されたワイン市場が確立している。消費者はニュージーランド産ワインが素晴らしいと知っているため、やや割高でもニュージーランド産ワインを買いたがっている」と述べている。

近年ニュージーランドのワインはかなりの成功を上げており、過去10年間で10億NZドル相当分を輸出するまでに成長した。ワインは同国の7番目に大きい輸出製品となっている。ワイン造りは1850年代から開始しているが、その頃のワインは地元で消費するだけの砂糖を加えたものや、バルクワインなどの安物が大半であった。1970年代になりようやく輸出が始まり、1980年代後半にはマールボロのソーヴィニヨン・ブランが爆発的な大人気を博した。ソーヴィニヨン・ブランはニュージーランドワインの中でもまだスター的存在だが、ピノ・ノワール、シラー、シャルドネ、ボルドー種、ピノ・グリも海外市場で人気が出てきている。過剰供給で暫く停滞気味となったワイン業界ではあるが、世界的な景気の回復と2年続いた素晴らしい収穫から、ニュージーランドのワイン業界にも安堵の声と自身回復の気運が見られている。

SHARE