NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
14.06.2015
2015年のマールボロの収穫量減でソーヴィニヨン・ブラン“苦境”

クラウディ・ベイのディレクターであるイアン・モーデン氏は、最近のインタビューで「2015年は収穫量の減少でマールボロ産ソーヴィニヨン・ブラン種の葡萄は継続的な打撃を受けている。ワイラウ・バレーは常に変化しており、マールボロ全体でさえこれまでのような素晴らしい可能性が永遠に続くとは言いきれない。レンウィック、フェアホール、ブランコット、ラパウラのようなこの土地特有の冷涼な気候体系の土地は限られたところにしか存在しないので、これまで以上に品質の高いブドウを確保することが重要となってきている。」と語る。

過去30年の間、クラウディ・ベイはマールボロの葡萄畑数箇所を買収し、自社のソーヴィニヨン・ブラン用葡萄供給率を50%確保できるまでとなった。しかし、昨今では近辺で適切な土地買収が価格高のため困難となってきている。「そのため、葡萄栽培農家との強い関係に依存している。取引する葡萄栽培者の中には、弊社が創設されたときからの古いつきあいところもある」とモーデン氏は言う。

「昨年の素晴らしい収穫量の結果、2015年の収穫は、どちらかと言うと2012年の収穫量に類似し、前年度比で20~30パーセントの収量減となった。だが、これは必ずしも悪いことではなく、収量が落ちれば果実の質が上がるからだ。2014年の弊社のソーヴィニヨン・ブランはアロマよりも味わいに重みがある。この高品質がプレミアム・ワイン部門での価値を向上することになると信じている。ソーヴィニヨン・ブランの収量減により、過去5年間で価格が30%上昇した。その上、最高級品質で収穫の少なかった葡萄にプレミアム価格を支払うこととなり、そこからよい濃縮バランスを得ることができた。クラウディ・ベイは今年創立30周年を迎えるが、それだけでなく、今後も非常に刺激的な時代が到来する。新たな市場開拓をし、幅広い年齢層のワイン愛飲者層を拡大している。イギリスはこれまで通り弊社にとって重要な市場であり、また、アジア市場も順調に成長している。しかし、現在一番のソーヴィニヨン・ブランの成長株はアメリカ市場となっている。同品種は今でもクラウディ・ベイの原動力ともいえ、生産量は増え続けている」と続けた。

クラウディ・ベイの親会社のモエ・ヘネシー・ルイ ヴィトン・グループ(LVMH)のワイン部門であるジャン・ギヨーム・プラッツ氏は、ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールをビジネスの中核と位置づけており、その結果、ゲヴュルツトラミネール、リースリングやピノ・グリは生産中止となった。

ワインメーカーであるティム・ヒース氏の指揮下、クラウディ・ベイのピノ・ノワールとソーヴィニヨン・ブランのカテゴリーはより優雅さを極め、食事に合うワインへと進化を続けている。「ストラクチャーとアロマを弊社のソーヴィニヨン・ブランに追求している。ピノ・ノワールではより高品質な葡萄を収穫することが必須だ。よりフレッシュで樽香の少ないスタイルを求めている。個人的には、2012年はピノ・ノワール最良の水準だった。2014年はおそらくソーヴィニヨン・ブランの最良の年であったと言える」とモーデン氏は言う。

SHARE