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これまでのあらすじ。(ボブ・キャンベルMWのブログより)
コラヴァンとは、ロバート・パーカーJr.やジャンシス・ロビンソンMW(マスター・オブ・ワイン)などの著名人から絶賛されているワイン保存用アイテムである。
試験用にコラヴァンを与えられた。コルクに細い針を刺し、ボトル内へ不活性アラゴンガスを注入するという仕組み。圧力でワインが針を通りグラスへ注がれる。何度か試験を行い、いずれも大成功だった。
この数ヶ月の間にコラヴァンはスクリューキャップ用にデザインされたキャップを発売した。コラヴァン・スクリューキャップと呼ばれるもので、自然に穴が塞がるシリコンと高品質のキャップライナーからできている。通常のコラヴァンの針がシリコンとライナー部分を貫く仕組みで、最大50回再利用できる。コラヴァンによるとこのスクリューキャップは最長3ヶ月間ワインをフレッシュな状態で保つとのこと。
コラヴァン・スクリューキャップを2本のアストロラーヴェ・ソーヴィニヨン・ブラン 2010で試してみたところ、3ヶ月後、コラヴァン・スクリューキャップのボトルは明らかに酸化していた。コラヴァン・スクリューキャップは失敗したようだ。
どのような回答が返ってくるかを確認するためコラヴァンに連絡してみたが、私のメールを確認したということ以外は約3週間連絡が無かったのでThe Real Reviewの記事上で私の調査結果を報告することに決めた。
記事が公開されて間もなくコラヴァンの開発者であり代表兼創設者であるグレッグ・ランブレヒト氏から一通のメールが届いた。
ランブレヒト氏は返信が遅れたことを謝罪し、コラヴァン側の混乱の結果とのこと。彼は次のように記した。
「ご存知の通り、スクリューキャップは比較的新しいシステムです。数え切れないほどのブラインドテイスティング試験を含め、発売までに膨大な回数の試験を行ってはおりますが、製品発売後にしか発覚しない欠陥は常にございます。酸化したワインの件はお詫びいたします。
「この19年間、素晴らしいワインを酸化で損失することを防ぐために時間を費やしてきました」
「失敗の潜在的原因をより深く理解したいと考えております。夏の間オーストラリア各地でネゴシアンと行ったブラインドテイスティングを含め、異なったワインを使用し、コラヴァン・スクリューキャップの試験を何度も行いましたが、全て成功を収めました。Dr.ジョセフ・シュラーMW含む63名のプロフェッショナルが参加し、コラヴァン使用で3ヶ月間保存したスロヴェニア産スクリューキャップのソーヴィニヨン・ブランと対照試験用の同ワインをブラインドテイスティングした際、明らかに成功しました」
「しかしながらこれらのワインの保管状態は一致しておりました。一貫して10~14度に温度を保っておりました。それゆえ、コラヴァン・スクリューキャップが3ヶ月を超えるワインで成功するにはこの保管状態であることが必須条件になるのではないかと疑問に思っております」
「貴殿が推測されているであろう通り、私はワイン愛好家であり科学オタクです。今回の失敗の原因をさらに理解するため、ご一緒に取り組む機会をいただけることを望んでおります。解決策に自信を持てた時点で、最終的にコラヴァン・スクリューキャップの取扱説明書を変更いたします」
メールでの非常に長いディスカッションの後、もう一度試験の機会を設けることに同意した。今回は、2本の対照試験用コントロールボトルと1本のコラヴァン・スクリューキャップ使用ボトルという各試験3本セットで行うことになった。2本のコントロールボトルを使うことを選んだ理由は、コントロールボトルに瓶差が発生するかを見極めるため。
1つのセットは14度でボトルを寝かせた状態、もう1つのセットは14度で立てた状態。別の2つのセットは寝かせた状態と立てた状態で温度管理無しの環境(私のオフィス)で、最高気温と最低気温を記録する。
実験は6週間と3ヶ月間でそれぞれ行われる。実験用に選んだワインはアストロラーベ・ソーヴィニヨン・ブラン2013、マールボロ産。
ランブレヒト氏の提案で、各テイスティング(6週間と3ヶ月)はキャメロン・ダグラスMS(マスター・ソムリエ)監督の下、6脚のグラスセット(4つのワインのテイスティング用と2脚は4つのどれかが重複して注がれる)を使用して行われることとなった。ランブレヒト氏から手順を説明する添付のビデオが送られてきた。
https://youtu.be/5Twb8RjBotc
6週間の実験は1月31日に終了予定で、3ヶ月間の実験は3月21日に終了予定。
平行して1月31日に終了する3ヶ月の実験も用意している。ランブレヒト氏は1月31日に結果を見ることに大変興味を示している。結果をお見逃しなく!
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