NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
21.05.2019
ニュージーランドの新たな主張:低アルコールのワインは妥協ではなく、特性

国内の消費者も低アルコール度のワインを求める声が高まっている。アルコール度を落としても、これまでのワインと同等の質を保ったワインを作るのが最大のチャレンジだった。しかし、ストーニ-・リーは既にこの難題は対処済みとし、「ワインの専門家でも、言われるまでアルコール度が低いことに気が付かない」と断言している。健康に留意する昨今の消費者は、通常のアルコール飲料の代替として、低アルコールや低カロリーのものを求めることが増えている。こういった傾向はこれまでビール業界では顕著だったが、ニュージーランドは低アルコール度のワインのパイオニアとなる事を目指している。

ペルノ・リカール社のワイン部門のブランドとしてストーニー・リーは、通常のワインの基準より25%も低いアルコール度数(ABV)の9.5%のスト―ニー・リー・ブライトの発売を開始した。この商品は、「ストーニーリー・ワイナリーの特有の力強いスタイルを維持する低ABVのものだ、と同ブランド担当者は語る。南島のワイン地域として有名なマールボロに位置するストーニー・リーは、特徴的な石が混ざった、ラパウラの土壌にブドウ畑を持ち、その土壌がフレッシュで、キレのいい, 力強いストーニー・リーのフレーバーをもつワインとして知られている。

世界各地の消費者は、健康とウェルネスに留意する傾向が増え、その結果としてアルコール消費量が減少している。イギリスのワイン専門のリサーチ、コンサルタント会社のワイン・インテリジェンス社の情報によると、消費者の50%はアルコール摂取量を減らそうと検討しており、40%が低アルコール度のものに変えるとしている。この傾向は特に健康志向の高い、ミレニアルズ世代に検挙に現れている。

低アルコール度のビールの人気が高まる中、世界的に見ても低アルコール度のワインはまだニッシュな分野となっている、とワイン・インテリジェンス社は評している。このニッシュ・マーケットでの成功のチャンスが特に大きいのはオーストラリア、続いてニュージーランドだと同社は予想している(昨年に行ったワイン市場分析の11の分野からの結果による)。ワイン・インテリジェンス社のレポートでは、機械的な方法でアルコール度を低減した製品より、自然な方法でアルコール度が低い製品の方が消費者受けする、としている。

ワイナリー業界では、低アルコール度の製品への関心が高まり、通常のワインに劣らない味を作り上げる努力が高まっている。「市場でも高品質で低アルコール度の製品が前より多く出回ってきている。低アルコール度は低品質で味が悪い、と自動的に結び付けられる傾向が歴史的にあった。しかし、うちのストーンリー・ブライトを試した消費者は、普通のワインと同じぐらい美味しくて、しかも低アルコールだと気付き始めている。低アルコール度が、妥協でなく、付加価値だ、と思われるようになっている」とストーンリーのチーフ・ワインメーカーのジェイミー・マーフェル氏は言う。

ストーン・ブライトに関して「味への挑戦に打ち勝つことができ、ワインを良くたしなむ人に試してもらっても、それが低アルコール度だった、と言われない限り判らない」とマーフェル氏は言う。

「ストーニーリー・ブライトを作るために、熟成期間で早く熟れるブドウを使った。早熟ブドウ種はもっと遅くに熟成するブドウとはやや異なるフレーバーを創り出す。しかしこの差異は、異なる土壌や違うブドウ場で育ったブドウと似たような違いだ。本当にわずかな違いだ。ストーニーリー・ブライトは典型的なマールボロワインで、フルーツフレーバーがたっぷりし、切れの良い酸味を持ち、普通のアルコール度のワインと同様の新鮮なフレーバーと複雑さが醸し出す様に作り上げられている。」

2014年にニュージーランド・ワイン生産者協会は、第一産業省との共同企画として低アルコール度のワイン開発プログラムを開始した。ワイン業界でも最大の研究開発として始められた、「ライターワイン」プログラムは、ニュージーランド産ワインを高品質性と,低アルコール度、低カロリー(アルコール度数10%以下のワイン)のワインの確固たる第一人者となるためのプログラムだ。US$1100万(NZ$1600 万)の研究費を掛けた7年間のプログラムとして運営され、低アルコール度ワインの生産のみならず、持続的可能なブドウ栽培技術と自然酵母を使用しての自然生産にも焦点を当てているプログラムである。

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