NZワインニュース一覧
「ニュージーランド国内での売上データから、ピノ・ノワールはソーヴィニヨン・ブランに及ばないものの、高級ホスピタリティ業界では王座を保っている」とは、マレーシア生まれ中国系のマスター・オブ・ワインのスティーブン・ウォン氏が今年の「ピノ・ノワール ニュージーランド2025」で指摘した。
2024年クリスマス前の8週間にウェリントンのミドルからプレミアム・クラスのレストランで集積したデータを分析し、ウォン氏はどうして顧客がピノ・ノワールが最も重要なカテゴリーで、総額でトップを独占し、スパークリングワイン、シャルドネ、シラーがそれに続いているかを解説した。
「ソーヴィニヨン・ブランとピノ・グリは輸出の主力品種だが、調査対象となったレストランから得たデータでは、ピノ・ノワールの売り上げに対し、それぞれ1/4と 1/5を占めるに留まっていた。ウェリントンのレストランは経済不況と失業率の増加の影響を受けてはいるが、ピノ・ノワールの売り上げは比較的安定しており、他の品種に比べて販売減少のペースが緩やかだ。消費者のワイン消費が減っているなら、業界として、消費者がもっと良いものを飲むようにして、その影響を緩和すべきだ」とワン氏はイベントの出席者に語り掛けた。
「ただ、良いピノ・ノワールに顧客がどの程度まで支払うかの限界はまだ見つかっていない」とも付け加えた。
「ウェリントンでの比較的明るい見通しにもかかわらず、海外での課題が山積している。特に『地域ブランド』という概念-セントラル・オタゴ ピノ・ノワールやマーティンボロー ピノ・ノワール-というような地域と品種の相乗効果を表現する用語の認識がほとんどないのが状況だ」とワン氏は指摘した。
「イギリスでの最近の調査によると、プレミアムワイン・リストにニュージーランド産ワインの掲載がほとんどないのに絶句した。ソーヴィニヨン・ブランですら稀なので、ましてやピノ・ノワールはほとんどない状況だった」と驚きを隠さずに語った。
「ワイン業界として、生産者として、さらにはニュージーランド産ワインの友好大使として、私たちは市場の傾向から距離を作ってしまったかもしれない」と彼は講演を締めくくった。
関連のあるニュース