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今シーズンのブドウ収穫は予測より少量となったことが判明し、マールボロのワイン業界は、来年の収穫人員確保が不可欠だとしている。しかし、国境閉鎖をしている現状では、ワイン業界の人手不足が大いに懸念されている。去年はワイン生産者にとり、困難な一年となった。昨年のレベル4の都市封鎖時では、エッセンシャル(必須)サービスと認定されてはいたが、収穫時には安全を確保しつつの労働力集めに奔走した。
オーストラリアとの旅行バブルが可能となり、確保した管理隔離スペースを利用し、もっと多くの外国労働者が得られるのでは、と農業分野で希望的観測をしている。
ワイン・マールボロ部長のマーカス・ピケンズ氏は最近のインタビューで、下記の見解を出した。
「どの業界も今シーズンをどうにか乗り越えられたのは、非常に運が良い事だった、と言える。しかし、これから冬場にかけての剪定作業はワイン業界には大きな課題となる。労働不足は過去12-16ヶ月継続する懸念事項だが、最大の挑戦となるのは今度の剪定作業となる。」
「コロナの出現での新たな状況打破に、絶えず労働不足の状態で、とにかく出来るだけの人をかき集め、ぶどうを剪定、収穫、夏の作業の休みない連続作業になるだろう。コロナあり、なしに関わらず、毎年ワイン業界が直面する問題と課題は恒久的だ。通常ワイン業界は、労働力の80パーセントが外国からの労働力でまかなっている。だが、認定季節労働者(RSE)の不足――その大半が太平洋の国々とバックパッーカーだったという状況から、ワイン業界が『非常に敏感』になっているという現状だ。」
「11月、12月ぐらいまで、ワイン業界に必要な労働者力が懸念であり、これは実際のワイン生産にもかかわる大きな挑戦となった。十分な労働者確保が最大の問題となり、まだ国内に滞在していた認定季節労働者、大学生、ワイン作りを試してみようというニュージーランド人からかき集めたが、今年も人材確保が問題となりそうだ。」
「ぎりぎりかろうじてやりとおせた。2021年の収穫は昨年よりずっと少なくなるので、ワイナリーが感じるプレシャーはやや軽減した。もっと収穫が多かったら、このストレスレベルはもっと高くなっていただろう。現状でも十分過ぎるぐらいのストレスを抱えていたにもかかわらず、それを乗り切れた。しかもこれまでのワイン労働経験が少ない人材でやり遂げた。」
「昨年暮れにニュージーランド政府は、例年より2000人多い認定季節労働者の入国許可を出し、園芸、ブドウ栽培業界への援助策を打ち出した。業界グループには歓迎される決断ではあったが、労働不足を解消するには足りない状況だ。ニュージーランドとオーストラリア両国の往路の許可については、ワイン業界では安全が確保される限り歓迎している。」
「どんなチャンスも利用したいとはもちろん思うが、中には私達だけの判断ではできないものもある。その間に、冬の季節に労働出来る十分な人材を確保する事に力を注いでいる。剪定されていなブドウ苗、ブドウ畑となる可能性が大きな危機となりそうだ。今年は予想より少ない収穫だったので、来年に向けた非常に良い作物を栽培するのが、根本問題だ。苗は剪定しなくてはならないのだから。」
「マールボロには毎冬に剪定が必要な6000-6500万のブドウの木がある。剪定なしでは、作物が出来ないし、作物がなければ、収入ゼロだ。」
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