NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
22.03.2020
予想上回るマールボロでの収穫

収穫の時期が迫り、ワイン業界では今年の暖かめの気候に期待が寄せられてはいるが、一方力量を試される場合もあり得るので、油断はできない。

マールボロ・ヴィントナーズのブドウ栽培家のニック・ウィンター氏は、「ブドウ栽培には絶えず挑戦すべき課題が出現するが、大抵の場合、原因となるのは大自然との闘いだ。この数週間の温暖な天候は、神の恵み、とも言えるだろう。暖かさはブドウの成熟期には必須だ。今年のブドウの収穫は非常に良いもので、果汁量も平均的なものになそうだ」と期待を込めて言う。

マールボロ地方が乾燥しているということは、ワイラウ川の水位が低いということにつながる。サザンバリー灌漑計画はワイラウ川の水を園芸, 農業やレンウィック南部の農村部の住宅への水の供給をするものだ。この灌漑は昨年の1月29日にまず閉鎖され、翌日には再開し、そしてまた2月2日には閉鎖され、それが3月まで閉鎖されていた。ブドウ畑の労働者は、ブレナムから文字通り手で水を汲み、トラックに積み込みながらの水の確保を強いられた。

ワイン・マールボロの責任者のマーカス・ピッケンズ氏によると、「1月の寒い日がブドウの木の成長期まで続いてしまった。ワイラウ川の水位を毎日チェックする日々が続いている。今季のブドウの実は例年に比べて巨大とは言えないが、粒が均一で上質だ。過去2-3週間の暖かさ、適度の温度、太陽の具合はブドウの成長には非常に歓迎できるものだった。最後の調整がいいペースで出来上がりつつある。この地域全体で行った2回目の収穫予想での結果は前向きのものだ。昨年のクリスマス前の一回目の収穫予想より上向きになっていると同業者たちも言っている」と述べる。

昨年のマールボロは例年にない暑い夏の影響でブドウが普段より早く熟してしまい、早めの収穫に取り掛からなくてはならなかった。まだ、最終的な収穫予報を出すには、やや時期早ではあるものの、今年のブドウの出来は例年の収穫並みになりそうだ。ということは、通常であればソーヴェニョン・ブランは3月の第4週には収穫されることになる。

マールボロ地域でのブドウ収穫量は2019年ではニュージーランド全土の76.6%で、ブドウのボリューム換算では305,467トンで、これは2018年の収穫に比べて2%減産となった。

2019年は最初の予想を下回わり、413,000トンのブドウが収穫された。しかし、質的には「例外的なほど素晴らしい」と称された。2019年の収穫量は前年度比6,000トンの減産になった。

前述のウィンター氏は、「非常な乾期となったために果汁量は昨年より多くはなかった」と解説する。

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