NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
15.04.2012
マールボロのピノ・ノワールはこれからの輝ける星

「『マールボロ・ソーヴィニヨン・ブランの国際的な成功がマールボロ・ピノ・ノワールにとっても成功の鍵となっている』と少数のワイン生産者しか気づいていないようだが、我々は過去の経験から、売上重視が販売利益を薄くし、価格低下に陥らないよう留意するべきだ」と、クラッギー・レンジの創始者スティーブ・スミス氏は警鐘を鳴らす。この背景には2008年、2009年のマールボロでのソーヴィニヨン・ブランの過剰生産から価格下落した状況がある。ニュージーランド・ワイングロワーズ・ヨーロッパ支部ディレクターは、「作付け・生産といった供給と、世界からの需要バランスを注意深く管理しなければならない」と述べている。
NZ全体のピノ・ノワール栽培率のうち、28%を占めるセントラル・オタゴに比べ、42%を誇るマールボロは、質の面でも一目をおかれている。マールボロのピノ・ノワールは、華やかで果実味溢れるスタイルを確立し、ブランドを確固たるものにしている。その上、地域特性からしても、ダークフルーツやスパイスの効いたワイン、女性的な果実味溢れるワインなど、様々なスタイルを確立する可能性が秘められている、と語るのはイーランズ・エステート(マールボロ)のタマラ・ワシントン・チーフ・ワインメーカー。
「ニュージーランド・ピノ・ノワールの葡萄木は、その大半が10歳未満だが、木が年を取るにつれ、ワインがより良く熟成する可能性が増してくる。ニュージーランドのピノ・ノワールは、あと10〜15年で最高のものになると確信している。これからの20年で、ブルゴーニュと並んでセントラル・オタゴ、マーティンボローとワイパラも続々と世界最高のピノ・ノワールを生産するのは間違いない」と前述のクラッギー・レンジの創始者スミス氏は言う。
「既にニュージーランド・ピノ・ノワールにはいくつかの最上位の葡萄畑(プルミエ・クリュ)ワインレベルのものが出ている。特級畑(グラン・クリュ)の出現も時間の問題」とニュージーランド・ピノ・ノワール分類の著者でもあり、世界のワインについて記事を寄稿するマシュー・ジュークス氏は述べている。

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