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「ワイン・セラーのスタッフはワインを注いで、お客さんが気に入ってくれるのを待っているだけの受身の姿勢でなく、積極的にワイン販売活動をすべきだ。ワイン・セラーは儲かる、と多くの人が誤解しがちだが、それは大きな誤解だ。わざわざワイナリーに訪れてくれる人がより質の高いワイン体験できるよう、ただワインを注ぐだけではなく、もっとすべきことがある」と自身がワインとツーリズムの経験を持つセントラル・オタゴ在住のビジネスマン、ブルース・マクゲーチャン氏は、かなり厳しい言葉を投げかけた。
同氏は自分の信念を証明すべく、アメリカのワイン業界で消費者に直接販売する手法を実践したレスリー・バーグランド氏と協力し、ワイン販売のトレーニングコースを提供することとなった。バーグランド氏はカリフォルニアで2008年から開始したこのコースの共同開発者。
カリフォルニアのナパに開設し、成功を収めたワイン業界販売教育(WISE)アカデミーをニュージーランドでも11月25日に発足し、開校記念に3日間のセラー・ドアー専門家コースを提供した。カリフォルニアでのアカデミー設立当時は、ワイン業界の根底に挑戦するもの、として受け止められたたが、ワインの知識豊かで、ディレクト・マーケティングのノウハウを持つスタッフ、マネージャー、リーダーの人材が必要とされていたことも事実であった。ニュージーランドでも同様の人材が必要だと感じたマクゲーチャン氏は、「アメリカのトップ・ワイナリー、特にナパ・バレーの経験から感じたことは、アメリカには高い顧客サービスが存在する。スタッフは顧客にワインのこと、それぞれのワインにまつわる話が出来る。そういったストーリーがワイナリーへのビジターがどのワインを購入したら良いかを判断する際の自信にもつながっている。この種の顧客サービスはニュージーランドではあまり見かけない。
ニュージーランドとオーストラリアで共通する顧客サービスは、ビジターに対してフレンドリーになる、ということだ。ワインを技術的に説明することもまあ上手だ。この2点に関してまったく問題はない。それとは逆にニュージーランドのセラースタッフに欠けているのは、実際に、ビジターにそれぞれのワインに関する、興味深いストーリーを語っていない、ということだ。というのも、セラー・ドアーのスタッフは、ワイン販売の自信がないからだ。ワインを注き、顧客が気に入ってくれるのを期待するだけばかりに頼ってはいられない。何かお客さんに買ってもらわなくてはならない。そのためにも、顧客がもっと刺激ある体験ができるように努めなくてはならない。ワイン試飲を無料でしているところが多いので、ワイン会社でもセラー・ドアーで収益を上げるのは、やや微妙な点となっている。しかし、セラー・ドアーはワイナリーの営業の一部であり、力を入れて、収益を上げる努力が必要だ。国際的なワイン販売・営業と比べるとニュージーランドは、この分野では出遅れている。セラー・ドアーで働く人が、トレーニングを受ければ、この方向に動くことが出来る」とマクゲーチャン氏は語る。
アメリカでは、ワイナリーでは訪問客数とそこでのワイン販売の統計を取っている。「訪問客の好みやセラーでの売り上げの記録をとることで、ワイン販売やセラー・ドアーのスタッフの技量での何らかの問題点を発掘することが出来る。
バーグランド氏はワイン・スクールの開校に合わせてニュージーランドに訪れ、WISEコースの二コースでの講師を務める。来年からはマクゲーチャン氏は他のワイン地域(マールボロ、ホークス・ベイを含む)にも及ぶコースを提供することになる。
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