NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
07.05.2017
フレンチ・コネクション・イン・ニュージーランド

元はジョン・ロフリン氏が創立したホークス・ベイのシャトー・マイマラマの所有者は日本人。ワイマラマは、テ・マタ・エステートからさほど遠くないところに位置し、シャトーとは言うものの中規模のレンガ作りの建物が6ヘクタールのブドウ畑と共にある、ホークス・ベイでも小規模なワイナリーだ。全てが日本向け輸出となっているワインは、市場競争が激しい日本だけでなく、ワイマラマのワインをもっと世界レベルへ引き上げたいと現オーナーの意向もありフランス人のワイン造りの専門家のルドウィック・ヴァネロン氏とコンサルタント契約を締結した。氏はボルドーのサンテミリヨンに本拠地を持つ国際的に活躍するコンサルタント。

「フランス人はとやかく言う人種だと思われているが、僕自身はチームの一員だと思っているし、うるさくフランス流のワイン造りを指示することはしない。ここはニュージーランドで、ボルドーではないからね。」と彼の基本姿勢を示す。

「ボルドー・ワインとブレンドしたワインという触れ込みでワインを売りたくない。輸入してきたブドウやボルドーのワインを売っているのではなく、ホークス・ベイで作られたワインだ。

この土地では素晴らしいワインが産出されていて、それをどのように販売戦略に落とし込むかが今後の課題だ。例えば、まず、現在ある5種類のブドウがどの土壌に適切かを見極める。小規模なブドウ畑ではあるが、場所や方角の違いから2度の温度差があり、そのため寒い春には霜が降りる場所もある。それを見極めるのはかなりの技量を要する。カルベネ・ソーヴィニョンのピラジン味(注:青っぽいピーマンの香り)をなくすには、早い時期に刈り込むことが肝心。

ヴァネロン氏はボルドーをベースとしているが、ニュージーランドを含め、イタリア(タスカニー)、トルコ、アルメニアなど諸外国への出張が多く、氏は広く世界のワイン業界事情に精通している。シャトー・ワイマラマはニュージーランドでサスティナブル・ワイングローイング認定(SWNZ)を最も早い次期である1990年に受けてはいたが、これまでオーガニックの認定を受けていなかった。
オーガニック面の考慮には、出来るだけ農薬の使用は避けたいが、収穫の保護もしなくてはならない。ホークス・ベイの気候はボルドーとは非常に異なっていて、ここはもっと変化が多い。一日のうちに四季があるといってもおかしくないほどだ。ボルドーではいい天気が4週間続くこともある、雨季にはそれがしばらく続き、ホークス・ベイほど天気の変化が激しくない。ホークス・ベイ、そしてニュージーランド全体を見て言えるのは、実が熟す期間が比較的長いため、赤・白ワイン双方に、ワインにとても重要なキーとなる酸味を際立たせてくれることになる。
「個人的にはニュージーランド・ワインの新鮮な味の大ファンであり、それがこの土地のワインの一番の売りであり、それを最大に売り込める方法を講じていきたい。」と同氏。

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