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ニュージーランドワインニュース
27.02.2019
女性のワイン&スピリッツ賞(WWSA)の調査結果

女性のワイン&スピリッツ賞(WWSA)は世界でも非常に重要な権威のある消費者市場でのワインとスピリッツの大会で、審査員全員が女性で構成されている。このWWSAが最近行った1027名を対象にした調査結果は最近のワインと女性の深い関係を如実に語っている。

これまでも、西欧諸国では、スーパーマーケットや店舗でワイン購入するのは大半が女性だとは知られていた。イギリスのワイン愛飲者の55%が女性だとも言われている。そういった状況を踏まえ、女性の購買活動とワイン消費者を念頭に置いたワイン造りやブランド作りに業界も動き始めている。

1. 女性の味覚
ワイン業界に特化した市場調査会社のワインブランド社のリン・ワイテカー氏は女性の味覚について言及する。「私自身は、女性特有の味覚が存在するとは思わないが、トレンドとしてはあるのは確かだ。多くの女性は白ワインやロゼを好み、その中でも、くせのないフルーティなのがいい、と言っている。」

こういった女性の好みを科学的な研究で裏付けてみると、妊娠可能年齢にある女性は、同年代の男性より、香りに敏感だという結果がでている。これはイエール大学で行われた調査でも、女性の方が男性より倍ぐらい味蕾が発達していることでも証明されている。

このことからも女性が、タンニンや酸度が強いものより、もっと微妙な味わいのあるワインの方を好むことにもつながる。ダイナミックで情熱的なワインを好む女性も多数いるが、重要な点は、ワインにバランスがあり、タンニンやアルコールが力すぎないものだ。女性の好みを理解するのは、女性の消費者を勝ち取り、ブランド・ロイヤリティを作り上げるためにも生産者には大切な事だ。

2. 女性のワイン消費傾向
女性がワインを男性と異なるたしなみ方をする、というのも、重要なポイントだ。「ワインの時間」という考え方が、最近はやっており、消費者リサーチでも、食事と一緒に、というより、女性はよく一人でワインを購入して飲むことがあることが分かっている。プロセッコが特に最近人気を博しているのも、飲みやすく、アルコール度も低めとして知られているからだろう。

女性のためのワイン選び入門を面白可笑しく書いた、ベストセラーの著者のヘレン・マクギン氏によると、女性がワインを購入する時、女性は多忙な一日の後の自分へのご褒美という気分で選択する、と言う。

3. 男性も忘れなきよう!
ワイン生産者は女性の消費者だけの事を考慮し、ブランディングや生産をしている、と言う訳では無論ない。ワインのマーケティングは、幅広い消費者を念頭に置いて展開しなくてはならない、という使命もある。女性向けのラベルのデザイン、マーケティング・キャンペーンは大成功するかもしれないが、ワインがより多くの、消費者にも魅力的と映る様に、異なるワインがあるほうがいい。

4. 女性のワイン・コンペティション
全員が女性の審査員という国際的なワイン・コンペティションが増えつつある、というも一つの重要なトレンドの存在だ。女性のためのワイン&スピリッツ賞はロンドンで毎年開催され、100名のワイン業界で活躍する女性ワイン・バイヤーが審査員となっている。彼女たちはワイン業界の主要意志決定者だ。このコンペの優勝者は、女性の消費者にとり、専門家の女性達が選出したいいワインだという信頼と自信を与えることになる。今年のWWSAは4月17日にロンドンのロイヤル・ヨットクラブで開催される。

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