NZワインニュース一覧
2022年ヴィンテージは、労働力不足、雨量過多、オミクロンの脅威を国内のワイン産地全域が直面した中で行われたが、結果としてタンクは満杯となり、市場からの需要は旺盛、そして、例外的とも言える晩夏を多くの人が楽しむ事ができた。収穫状況は厳しい状況ではあったが、結果的には良好だったようだ。各地からの声を集めてみた。
ノースランド:マースデン・エステート
ロッド・マキヴォー氏、創設者兼ワインメーカー
ノースランドでは2022年の収穫は過去最高品質となったが、同時に最悪だったとも言える。最終的には例外的なヴィンテージとなり、沿岸部のブドウ畑がこれまでの最も高い糖度のブドウを収穫することができた。しかし、2月に12日間続いた異常な湿度は、やや内陸部にあるブドウ畑に様々な影響を及ぼした。例えば、ある1区画のシラー用のぶどうの糖度は28ブリックスだったのに、別の区画では18ブリックスだったりと、この時期の厳しさと素晴らしいが同時進行だった典型的な例だった。
オークランド: クメウ・リヴァー、
マイケル・ブライコヴィッチ氏、ワインメーカー
オークランドでは素晴らしい2022年の収穫となり、4年連続の素晴らしい品質のぶどうの収穫となった。2021年の冬は比較的穏やかだったが、かなりの雨量があったため、十分に水分を含んだ土壌だった。春の訪れは早く、幸いにも霜の被害を免れることができた。春のぶどうの生育は急速で、葉の除去に用心する必要があり、開花は例年より早かった。
ホークスベイ:パリトゥア・ワインナリー
ジェイソン・ステント氏、ワインメーカー
今シーズンは雨が過多で、それも悪い時期の降雨だった。だが、それがまたとない学習の機会となり、素晴らしい白ワインがうまれ、良い結果を生み出すことにもなった。特にシャルドネとソーヴィニヨン・ブランは素晴らしく、ロゼも良好だった。地域のプレミアムワインメーカーは、難しい収穫時期に直面し、そこから多くの教訓を学び、10~15年前と比べて多様性あるツールを開発することとなった。ブドウ栽培も大きく進歩し、困難な状況での疫病、物流のプレッシャーをうまくやり過ごすことができるようになった。
ワイララパ:ドライ・リバー
ウィルコ・ラム氏、ワインメーカー
驚くべき結実の春と輝かしいスタートをきった夏から始まり、シーズンの大半は興奮の怒涛に包まれたとも言える。しかし、2月に3週末連続して雨にたたられ、その後のピノ・ノワールの見通しが悪くなってしまった。しかし、弱め雨の後は晴天が続き、その後はリラックスして収穫に臨むことができたため、白ワインに大きな期待を寄せている。特に、ここ数年の需要は爆発的とも言え、供給が需要に追いつかない状況でもあるが、中でもシャルドネがその筆頭に挙げられる。シャルドネ品種は比較的強いため、このような年でも、多くの人に楽しんでもらえるワインが誕生するだろう。
ギズボーン:ギズボーン・ワイン生産者協会
マーク・トンプソン氏
1月、2月、3月と通常の2倍から3倍の雨が降り、コロナで既にストレスがあった上に、疫病となる可能性のストレスが加わった地域は特に大変な時期だった。生産者から果実の入荷を要求され、スタッフの少なくとも20%がコロナ禍で不在の中、ワイナリーへの最大の課題は、そういった例年通りが普通と考える思考変更だった。
人員不足からいつもの作業に膨大な時間がかかる作業の後、収穫が終わる頃にはスタッフは疲労困憊気味だった。しかし、ギズボーンには新規生産者が増えており、全体としての今後の展望は良い状態にある。
マールボロ:ハンターズ・ワインズ
ジェームズ・マクドナルド氏、シニア・ワインメーカー
2022年のヴィンテージは、本当に厄介なシーズンだった。春は暖かく、1月は暑く乾燥し、2月は非常に雨が多かったので、特にピノ・ノワールにボトリティスが発生し始めた。ラッキーなことにスパークリングワインとロゼ用に、影響を受けた果実を早めに収穫することができた。その結果ピノ・ノワール用に最高の果実を残すことができた。機敏さと柔軟性が求められるシーズンだった。3月と4月は素晴らしい天候に恵まれ、収穫の最終段階への見通しが変わったとき、最悪の事態を考え始めることとなった。
最大の難関は、熟練労働者の不足だった。普段なら世界中から集まってくる若いワインメーカーがいたのに、これまでいかにそういった人たちに頼っているかを思い知らされた。
人事不足が長期的な課題であることを受け入れているため、その影響を軽減するために、ワイナリーでの技術の向上と効率化を検討している。
ネルソン:ノイドルフ・エステート
トッド・スティーブンス氏、ゼネラル・マネージャー兼ワインメーカー
今年のヴィンテージは合格点だった。収穫期にはまとまった雨が懸念されたが、それまでに全て収穫を完了した。クローンや品種で、影響を受けやすいものとそうでないものがあるが、できる限り長く果実を枝につけていることが課題だった。2021年の収穫は、ネルソンでは小規模なものとなり、霜と開花不良が重なって収量が落ちた上に、雹が降った地域もあったが、数量的には苦戦を強いられることはなかった。大幅なステップアップで、市場を満足させる十分なワインができると期待している。
ノース・カンタベリー:ペガサス・ベイ・ワイナリー
マット・ドナルドソン氏、ワインメーカー
幸運と優れた計画の組み合わせで、ワイパラのヴィンテージは予想以上に良いものになった。誰もが振り返って見ると、困難な時期と思うが、最終的には素晴らしいワインができたという感想だ。
ノース・カンタベリーでは開花がまばらだったため、果実の間引きが例年よりはるかに少なく、この季節としては完璧な果実重量だった。開花と結実の間に雨が降ったため、ピノ・ノワールとシャルドネにボトリティスの兆候が現れ、糖度や表現上の熟度ではなく、状態に基づいて慎重に収穫を決定した。これらの品種は通常より早く収穫したが、2022年のピノ・ノワールは良い出来になると期待している。完璧でないヴィンテージの方が面白いワインができることもある。特にピノ・ノワールにはそれが当てはまり、2022年の収穫がもたらす不完全さに興味をそそられる。
セントラル・オタゴ:ペレグリン・ワインズ
フレイザー・マクラクラン氏、最高責任者
セントラル・オタゴは3年連続で良い収穫を享受し、2022年はおそらく最高のものとなるだろう。同社が収穫するギブストン、ベンディゴ、ピサの3つのサブリージョンでは素晴らしいシーズンだった。2021年後半に土壌に十分な水分があり、12月も暖かく、素晴らしいスタートを切ることができた。我社はコロナの影響は最小限で乗り切ることができた。コロナの影響は確かにあったが、何とかやり過ごすことができたと言える。
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