NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
14.12.2020
ワイン輸出20億ドル超

過去10年間でニュージーランドのワイン輸出額は2倍となり、2019年10月からの一年間の合計が20億ドルの壁を超えた。

「レベル4の都市封鎖中に2020年の収穫をどうにか確保したワイン業界であるが、最悪の状況も予想していた。しかし、その予想とは裏腹に、世界中に変化を迫られた年にも関わらず、ニュージーランドのワインを愛する人達は変化しなかった」とはニュージーランドワイン生産者協会の幹部の言葉だ。

「この時期での成長を確保できたのは、非常に素晴らしい兆候だ。例年通り、我々はワイン生産国として、量だけでなく品質を重視し、価値を盛り立てる目標達成にも努力してきた」とフェントン・ロードの所有者のナイジェル・グリーニング氏も語る。

ニュージーランドではワインは第6位の輸出製品品目であり、100余国へ輸出し、その中でもアメリカ、イギリス、オーストラリアが主要成長市場だ。
最近の数値では、イギリス向け輸出の伸びが昨年度比11%となり、金額ではNZ$4.6億ともなっている。ニュージーランドの輸出額は国内消費額の約6倍だ。

ニュージーランド産ワインがプレミアム・ワインという国際的なイメージがこの追い風となり、アメリカ、イギリス、カナダ、中国でも最高あるいは上から二番目の価格帯のワインとされている。

20億ドルの輸出という指標に達成したという重要性について、ノイドルフ・ヴィンヤードの販売・マーケット部長のロジー・フィン氏は、「正直言って、輸出額自体が達成目標ではない。ワインの質がイギリス国内でのニュージーランドワインの需要の原因となっている」と語る。

マールボローのブランク・キャンヴァスの共同創始者のマット・トンプソン氏は、ニュージーランドワインの成功の秘密は「果実の品質が高く、それはブドウの生産地特性とブドウの質の相対的な一貫性だ」と言う。

マールボローのソーヴィニヨン・ブランはニュージーランドの主要ワインで、ブドウ生産量は第一位を占める一番栽培されているブドウ種だ。第2位のピノ・ノワールに比べてトン換算で10倍以上だ。

地域としてマールボローもブドウ生産者の数、ワイナリーの数、トン換算の生産量でも第一位の地位を確保している。

2019年9月にはニュージーランドに最初の産ブドウが栽培されてから200年目だった。ワイン業界は比較的若い業界として、今後も生産者コストの増大、労働者の不足の可能性、持続可能な成長のためのニーズなどの新たな挑戦から進歩をし続けてきた。

「最大の挑戦は、オーガニック、持続可能、未来の世代を視野に入れブドウ畑や土壌への配慮するブドウ栽培者が存在することだ」とロージー・フィン氏は語る。

地域的な違いへの留意も今後の目標となるであろう。「サブ地域での多様なスタイルをもっと顧客に語りかける必要がある。イギリスのソムリエがサブリージョンをショーケースするワインを選択したワインリストを作り、それに対してニュージーランドのワイン業界がその違いを解説できるようなツールを作れることを願っている」とマット・トンプソン氏は語る。

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