NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
04.01.2015
トルコのワイン研究者ニュージーランドでの共同研究

世界でも最も古いワイン製造の歴史を持つ国からブドウ栽培学の准教授のエルマン・バーハ―教授が最近EIT(Eastern Institute of Technology)の科学者と産業研究プロジェクトで共同研究をした。

トルコのナミック・ケマル大学に所属するバーハ博士は、まずEITの研究者と葡萄の実の熟成度を最適にし、ワインの質を向上させる手法のブドウの苗木の葉を削除する代替法として、反発散作用スプレイの使用が実行可能か否かの研究を始めた。バーハ―教授は研究休暇中でEITに来た最初の国際的研究者だった。EITでの3か月間の滞在中に、ブドウ栽培学とワイン科学の研究者のぺトラ・キング博士と、カルモ・サウンダースー・ヴァスコンチェロス準教授と研究を重ねてきた。ブドウ栽培の季節も順調に進み,研究チームは2年目の研究準備にかかっている。次の研究はソーヴェニオン・ブランとメルローを対象としたものとなっている。さらに、バーハ―博士はEITで五感を駆使したワイン鑑定者の訓練プログラム開発にも協力している。

同博士とEITの出会いは、5年前にトルコで、ある国際マーケティングチームとの出会いから端を発している。ニュージーランドのワイン業界について、専門誌で読んだことのある博士は、自分の目でニュージランドのワイン業界を見てみたい、と思ったとのこと。ホークス・ベイでの経験に限られてはいるものの、同博士は「トルコとニュージーランドでの葡萄栽培では非常に異なった環境を持っている。トルコは、暑い気候で、ワイン産業は伝統的な手法と新しい手法を両方駆使してワイン製造をしている。一方、ニュージーランドは涼しい気候で、雨も多い。トルコで一般にみられるブドウの苗の病気もない。ニュージーランドのワインはトルコのそれとは非常に異なり、アロマが強く、フルーティで花の香りがする。トルコのワインはそれに対し、もっと酸味が強い。」

トルコは野生のユーラシアのブドウ苗を自家栽培用に改良した最初の国の一つであり、ワインは7000年以上も前から製造されていたと信じられている。世界で第五番目のブドウ製造産地でもあり、毎年400万トン以上の収穫がある。しかし、生産の大半は、テーブルワインとレーズンとして使われて、ワイン製造はニュージーランドより、ぐっと少ない。世界的規模のワイン生産を見ると、ニュージーランドが18位、トルコは35位となる。ブドウ生産地域面積で見ると、ニュージーランドは世界で37位。トルコが最終的に輸出するブドウは非常に少量である。小アジア側のトルコにあるアナトリアでは、一番一般的なブドウ苗のヨーロッパ・ブドウ(ヴィニフェラ種)の発祥の地であり、この地域の30万ヘクタールのブドウ畑からは主にテーブルワインを産している。

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