NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
26.06.2016
驚異的な余裕でのマールボロ地域の今年の収穫から、早々雄たけび

テ・ファレの共同オーナーのアナ・フロワデー氏は「2016年の収穫されたブドウは、これまで最高といわれたマールボロのワインに匹敵するワインとなるだろう。いつもの気が狂うような大慌てでの収穫と異なり、今年は、3月初旬から4月までにたった2度の雨があっただけで、ゆったりと余裕をもっての収穫ができた年だ。」と、評している。同様に、ギーゼン・ワイン・マールボロの総マネージャーのライアン・ワードマン氏は「通常、30日間ぐらいの間に収穫を終了しなくてはならないが、今年はこの尺度を裏切るものであった。マールボロ地域では例外ともいえる、余裕で作業をすることができる、贅沢な環境だった。」と、語る。

「収穫開始時、雨が降る前に躍起になりブドウを取り込もうとするワイン会社もあったが、天候と時間の経過を見ていくにつれて、だんだん余裕が持てるようになった」、とワードマン氏は言う。ワイン・マールボロの会長を務めるクライブ・ジョーンズ氏によると、「今年の収穫時期を振り返ってみると、これまでマールボロで経験したことがないぐらいの、予想しやすく秩序だっていた季節だった。平均的な通常の夏より暖かったため、開花後、均等なサイズのブドウの房が出来、比較的収穫が少なかった2015年の収穫と比べると、収穫率が高い。ウドンコ病等の、今シーズンに懸念されている疫病の可能性も、マールボロでも日常化したものだ」とのこと。

アラン・スコット・ファミリーエステートのワイン醸造とブドウ栽培の責任者のジョッシュ・スコット氏は、「ボトリティス(灰色かび病菌)が発生したが、まだ、怖い話は聞いていない。過去18年間の中でも最良の収穫だ。雨量の不足が収穫作業を容易にして、昨年比で2倍の収穫量となり、これまでの最高収穫となった。このために、ワイン醸造家がいろいろ実験をする機会が増えたが、ブドウがとても清潔であったため、ボトリティス属リースリングの生産が難しいことが分かった。疫病にたたられたワイナリーではブドウをミックスしなくてはいけないところもあった」と、語る。

テ・ファレの共同オナーのアナ・フロワーデー氏は「ブドウの質と栽培季節から判断すると、今年のワインはマールボロでも最良のものになりそうだ。今年のマールボロはこれまでの最良の収穫年に匹敵する物になる、と声を大にしてもいいと思う」と既に絶賛している。フロワーデー氏の所有するワイナリーは、ワイラウバレーに11ヘクタールのブドウ畑を持ち、今年は3月15日に収穫を開始し、4月17日のシラーの収穫で今年の収穫の幕を閉じた。続けてフロワデー氏は、「花が沢山咲き、その結果大きな実ができた後には、いろいろと挑戦があったが、収穫物を間引いたり、疫病を防ぐ努力が功を奏した。今年は教科書通りのブドウ栽培のようで、私たちが希望していたことがすべて起こった」と言う。

先月発表されたラボバンクの報告書によると、ニュージーランドの輸出市場への強みが昨年より大きなものとなり、さらに2016年収穫量を在庫を持たずに販売可能であろうと予測されておいる。昨年、マールボロでは23.3万トンのブドウが収穫されたが、ニュージーランドワイングロワーズはこの収穫数字を今年の6月まで発表しない。2014年のようなニュージーランド国内全体で44.5万トンの大量収穫となった年は、ボトル詰めしたワインを売りさばくのが大変だったところもあり、スコット氏は「この経験から大収穫の年の生産量と販売量の差を少なくする手法をワイン会社が学習しなくてはいけない。ワイン業界は必要な量のブドウだけを収穫して、全部収穫し、運を天に任そう、というようなことをするほど未熟ではない」と、言う。

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