NZワインニュース一覧
イースタン・インスティチュート・オブ・テクノロジー(EIT)の学生、ルーカス・パーシー氏は自分の経歴にワイン審判を書き加え、将来的にはこの分野で輝かしいキャリアにしたいと望んでいる。
2015年のホークス・ベイA&ベイリーズ・ワイン賞の“若いワイン醸造者”としてルーカス君は、今年の地域賞の準審判として参加する旨の招待を受けた。同賞の審判長を務めたウォーレン・ギブソン氏は、今回の受賞は良い先例となるであろうと言う。
審判員の第一の使命は、様々な種類とスタイルのワインを実際にかなりの量試飲しなくてはならない、とトリニティ・ヒルの主任ワイン醸造家は説明する。「特別なスキルが必要だ。ブドウ栽培学とワイン科学の学士プログラムの最終学年に在籍するルーカス君は、この挑戦に全く気おくれしていなかった。ルーカス君は、他の10人のワイン審査員に加わり、2つのパネルに参加し、約400種の主品項目を網羅した。多数のブドウの品種、ワインの形態をカバーするもので、参加するには最低85%以上はホークス・ベイで栽培されてブドウを使用することになっている。」
21歳のルーカス審判員は、ニュージーランドのピノ・ノワールと開催地とその土地の人々を知り、土地を楽しむ体験が出来たようだ。
アデレイド大学でワイン研究と知覚学の研究者でもあり、講師でもあるワイン業界の著名人のスー・バスチャン博士や、ロサンジェルス・タイムスとワイン・アンド・スピリット誌のライターでもあるパトリック・コミスキー氏の参加もあった。
他のパネリスト陣には、タウポからマスター・オブ・ワインのエマ・ジェンキンス氏、ドッグ・ポイントのワイン醸造家のマーリー・クック氏、ホークス・ベイのワイン醸造家のアント・マッケンジー氏とロッド・イーストホープ氏、さらには、ジャーナリストのイヴォンヌ・ローキン氏等々。
「ワイン業界、ワインライター、教育者など、幅広い分野からの人が集まった素晴らしい審査員集団となっていた。ルーカス君は学ぶことが多々あったことだろう」と審判員を選出したウォーレン氏は語る。
「ワインの審判員は、やりがいのあることだった。今回のような体験が出来たのは、光栄だ。僕自身の評価に一貫性があったことも、嬉しかった。たとえ、個人的に好きではないワインであっても、審査員として、個々のワインの中から最良の側面を見出す。どんなワインでも、最適の場所と言うものがある」と参加後の感想を述べた。
また、前述のウォーレン氏は、このイベントは、ホークス・ベイのワインの良さを広める非常に重要な賞であったとしている。「この地域では、ホークス・ベイこそがニュージーランドで一番大きな実力を持っているワインの産地だと声を大にして言っている。そして、今年は、新たに生まれたクラスを紹介でき、この土地、系統、長年の経験を反映するワインに賞を与えることが出来た。」
ルーカス君はワイララパからホークス・ベイに引越し、現在EITで勉強中。「これまでの経験は素晴らしい学習体験だった。EITは世界水準のワイン研究所で、僕のワイン体験は、個々の教授陣のお陰で切磋琢磨された。ホークス・ベイはニュージーランドのワイン生産地の中でも最高の土地で、多種多様のブドウが幸せに育っているところだ。そんなブドウたちをいかにして、最高のワインに作り上げるかを考えるのが、僕たちのようなワイン専門家の卵たちの仕事となる。」
ルーカス君の母親も以前はワイン業界で働いていた。そんなこともあり「小さいころから、ブドウ畑の探索が僕の幼児体験だった。それが今の僕が持つワインへの情熱になったんだと思う」と付け加える。今後の希望としては、若いワイン醸造家として、世界中のワインの産地を訪問し、ブドウ栽培者に出会うのが、「ワイン醸造家としての技術を身につける、主要なもの」となるだろう、と語る。
クリアヴュー・エステートのセラードアーでパートとして働きながら、クラギー・レンジの収穫時とホークス・ベイのA&P協会でも働いたことがある。A&P協会は“若いワイン醸造者”のスポンサーともなっており、ルーカス君の学費援助もしている。今度の夏はオーストラリアのハンター・バレーで働き、またホークス・ベイの次の収穫時に働く予定となっている。
関連のあるニュース