NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
19.07.2009
エネルギー排出量減少にベイビードール・シープが貢献

世界を牽引するサステイナブル・ヴィンヤードを目指すピーター・イーランズ氏が、1000ヘクタールのヴィンヤードの草を刈るために、斬新かつ最もサステイナブルな方法を考え出した。

「1000ヘクタールもの草刈りをするには大量の燃料を使用する。そこで我々はミニサイズの羊達に助けを求めることを思いついた」と話すのは、イーランズ・エステートの創始者かつオーナーのピーター・イーランズ氏。

昨年8月にワイナリーをスタートして以来、イーランズ氏は伝統的なトラクターでの草刈りに変わるあらゆる方法を試してきた。まず始めに普通サイズの羊を使ってみたが、あいにく羊達はブドウの実のおいしさを知ってしまったため、次にモルモットで試したが、商業規模のヴィンヤードには向いていないという結果に終わった。

そして今回の試みは、環境保全において大きな利点があるとイーランズ氏を確信させるに至った。その理由は、ベイビードール・シープは成長しても45-60cm程度にしかならないため、ブドウへの心配が無いということ。

一番最近では、オーガニック栽培を行う125ヘクタールのソーヴィニヨン・ブランのエリアにおいて羊達がせっせと草を食んでおり、国内外からの注目が集まっている。

また、イーランズ氏は、ベイビードール種とサクソン・メリノ種の異種交配を計画、1万頭まで増やす予定。
ベイビードールの羊毛はきめ細かく光沢があるため、この増殖により繊維産業界にも良い効果をもたらすと見られている。さらには希少な羊肉として、レストランへの新たな販売経路も生まれる可能性もある。

次の出産時期は今年の10月頃の予定で、ニュージーランド唯一のベイビードール・シープの群れとなる。

イーランズ・エステートは、サステイナビリティ活動の基盤として、これまでにも今年4月には「カーボン・ゼロ」から認可を受けたり、同5月にはEnergy Efficiency and Conservation Authority (EECA-エネルギー効率局)よりスモール・ビシネス・アウォードを受賞するなどしている。

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