NZワインニュース一覧
南島北東部のブレナムがワイン造りとブドウ栽培の教育拠点となる可能性が出てきた。マールボロ男子高校とマールボロ女子高校では2年、3年生を対象に国内統一試験(NAEC)に合致したカリキュラムでワイン製造とブドウ栽培を学ぶコースの開設計画を関係各省提出した。両校の生徒は、このコースを受講終了後、ワイン造り、研究技師、ブドウ栽培士の資格獲得の第一歩を踏み出すことになる。
マールボロ男子校の副校長のジェームス・レイ氏とマールボロ女子高のキャリア・アドバイザーのシェリル・ウェスト氏は、マールボロ地方議会のコミュニティ財政委員会に、この教育計画を提出した。マールボロでは教育を受けた青年層が他の土地に移動してしまう『頭脳流出』が問題となっていて、これに憂いを感じる地方議会は、ワイン教育計画に賛同の意を表している。初年度の経費は8-10万ドルと予想され、教育省あるいは企業投資からの経済援助を期待している。両校では既にブレナムのネルソン・マールボロ工業専門学校と場所提供の協議を開始している。
ライアン副校長は「スポーツとリーダーシップの機会を通じての学校生活の一部となるコースを目指している。初学期には10名の生徒を見込んでおり、ネルソン・マールボロ工業専門学校に生徒たちはバス移動し、両校の教師による授業を受ける。国内統一試験に合致した2-3年レベルのコース終了後、ネルソン・マールボロ工業専門学校のブドウ栽培あるいはワイン製造の学士号のコースに進むか、就職の道を選ぶかの選択肢が可能となる。ワイン業界での就職を望まない生徒については、大学への進学、他の学術分野に行く可能性もある。コースの一環として、ワイン製造、ブドウ栽培工程、ビジネスを学習する。ワインプログラムの構想は、理論と実践が関連した題材を学ぶことで学習がより意味のあるものになる、という発想からきている。会計学、生物学、化学、英語、地理、数学、実践的ブドウ栽培、園芸、ブドウ収穫経験などがコース内容となる。ブドウ園、ワイナリーでは、就労経験の機会を早々と提供している。ワイン産業と聞くと、ブドウのピッキング、枝の剪定、植栽というものしか知らず、『私の分野でない』と結論づけてしまうことが多いが、実際のワイン業界にはもっと異なった側面がある。」と語る。
「生徒サイドだけでなく、地元の雇用供給という観点から、企業投資にも一役を担っている。昨今、マールボロで教育を受けた若い人が地元から出てしまう傾向が増えている。こういったワインプログラムを通して、若い人の雇用機会にもっと他のチャンスがあることを示せば、これまではマールボロを離れて行くような人たちが、残る可能性が出てくる。」とウェスト氏は言う。
マールボロ女子高卒業生のたった35%しか大学に進学せず、マールボロ男子校に至っては、さらに低い確率の生徒しか大学進学をしない。大学進学をしない生徒たちのニーズに合う教育を学校としてもしなくてはならない。「もしもっと、多くの生徒たちが興味を持ってくれれば、学校としてもより多くの財政支援を受けることが出来る」とライアン氏は言う。ワイン・マールボロは両学校に口頭でのサポートを表明している。
関連のあるニュース