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マスター・オブ・ワインの試験はそのウェブサイトによると「ワインの技術的な部分、科学、ビジネスに関する理論的知識と実践的なスキルを持つ候補者の知識と経験の深淵を問う」ものだ。
しかしこの文言はブランク・キャンパスのオーナーのソフィー・パーカ―・トンプソン氏を怖がらせたりしなかった。現在33歳の彼女は新たな世界のマスターズ・オブ・ワインの一人となった。今年合格した10人のうち北半球以外の唯一の人物で、南島では最初のマスター・オブ・ワインとなった。これまでのニュージーランドの14人は全て北島在住だった。
ロンドンのマスターズ・オブ・ワインからの電話連絡を受けるまで彼女は家の廊下を行ったり来たりしながら、やや緊張していた、とその時の感想を語る。
「夜の8時15分頃だった。協会からの連絡は本当にうれしかった。ほっとした、と言ってもいいだろう。ここまでたどり着く道のりは長く、険しかった。」
2014年にパーカ―・トンプソン氏は2年間のワインとスピリッツ教育コースを修了した。その後、2016年からマスタ―・ワインプログラムを開始。「このコースを始めたのはいいが、あまりにも大変だったので2017年に休学。2歳の子供がいたし、家の改築もあったし、ちょっと休憩が必要だった。」
その後2018年に彼女は学科試験に合格し、2019年に再度ブラインド・テースティングの試験に挑んだ。「恐らくこの試験は、ワイン業界でも一番難しいブラインド・テイスティングだった。平均して、10人のうち一人しか合格しない。」
試験に出されたワインはハンガリーのカルベネ・ブランからチリのカルメネール、さらにはウルグアイのタナがあり、パーカ―・トンプソン氏は4日間で36種類のワインを見分けなくてはならなかった。「それぞれのワインに2分間の時間が与えられ、その後、各ワインについての質問について一ページ以上の筆記問題に8分与えられた。」
試験はロンドン、サンフランシスコ、アデレイドで行われ、その為にパーカ―・トンプソン氏は3年間で6回オーストラリアに渡った。
12月にコースを終了し、彼女は自分が選択した題材について10,000語の論文を提出した。トピックはワインを受けつけない体質の原因だ。
「私はこれを『二日酔い不足』現象と呼んだ。どうしてかというと、普通、二日酔いはアルコール消費が多すぎると起きるものだが、ワインを受けつけない体質の人だと、少量のワインでも人によっては気分が悪くなり、頭痛、うっ血・嘔吐・動悸となってしまう。こうした現象は二酸化硫黄感度が原因とされている。しかし私の行った背景調査では、二酸化硫黄と頭痛に関する決定的なつながりは見出されなかった。
純粋な二酸化硫黄感度は急性喘息者にはほんの低い確率でしか影響がなく、殆どの場合、呼吸器反応だった。他の原因となるかを探求していくにつれ、生体アミン(ヒスタミンのような)のような毒性アレルギー反応を模倣するのが主要原因だと言う事が明確になった。バクテリアは生体アミンを作りだし、二酸化硫黄は反バクテリアのため、二酸化硫黄をワイン添付による影響の研究が理にかなっていた。このデータから二酸化硫黄が加えられていないワインは生体アミンのレベルが一番が高かった。一方、発酵前に二酸化硫黄が追加されたものの生体アミンレベルは一番低かった。」
この研究はワイン業界には重要なガイドラインとなるため、マスター・オブ・ワインのホームページから、この研究結果を読むことが可能だ。
パーカー・トンプソン氏の自分の体中には、ワインがDNAとしてあるのと同然だと気付いたのは法律を勉強している時だった。その時からワイン業界での仕事が彼女の未来となるだろうと判った、という。ニュージーランドのワイン産地のキズボーンとセントラル・オタゴで育ち、2011年の収穫時にはマールボロに引越し、そこで未来の夫となるマット・トンプソン氏と出会った。
二人はプレミアム・ワインのブランク・キャンバスを2013に立ち上げ、ワインの少量生産をし、最近はコンサルタント業も開始した。この度獲得したマスター・オブ・ワインの称号がビジネスにも役立ってくれることを彼女は期待を持っている。「マスター・オブ・ワインを持つ人達のコミュニティは非常に密接なもので、世界中に素晴らしいネットワークを持つことが出来て嬉しい。」
世界には418人のマスター・オブ・ワインが32国に存在し、女性は149人だ。
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