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ニュージーランドワインニュース
27.12.2021
マールボロ・ワイン・ショーでの奇跡?大惨事続きを乗り越え学生のワインが入賞

考えられる限るの障害の数々を乗り越え、ワイン学部一年の学生のワインが、マールボロ・ワイン・ショーで入賞を果たしてしまった。

ネルソンマールボロ・インスティチュート・オブ・ワイン(NMIT)でワイン科学専攻して一年のジョニー・バレンシア氏は、悪運に見舞われながらも、ようやく完成したシャルドネをかの有名なワイン大会に出品した。その結果は、災い転じて福となった。審査結果を聞いた時に、バレンシア氏は自分の入賞は学生の出品者の中での順位だと思っていた。

まずの災難は自分用のブドウの半分を鳥に食べられてしまった。「そこからも、悪事続きだった。残っていたブドウはまだ熟しきっていなかったので、ワインの酸度が上ってしまった。」

NMITのワイン科学の講師、のリ―タ・ワーデン氏の指導で、バレンシア氏はシャルドネ用のブドウの不足分をシュナン・ブランとアルバリーニョで補填することにした。

その後の発酵期間では冷蔵庫が誤作動。ワインの温度が50度まで急上昇してしまい、酸度を抑えるはずの良い菌を殺してしまった。「冷蔵庫の誤作動とその後の発酵作用に必要な菌が死んでしまい、残ったワインは、かなり悪い状態だった。そこでまた計画変更を迫られた。」

持てる力と知識を振り絞り、ワインを作り上げ、大会に出品したものの、同じワインをもう一度作れるかと問われると、「微妙だ」とはバレンシアガ氏の反応。「正直言って、悪い方向へ向かってしまったことが、逆にいいワインを作ってしまったのかどうかもわからない」と、幾分当惑気味に言う。
バレンシアガ氏はワイン・マールボロのマーカス・ピケンズ部長から、優秀学生としてイチョウ賞を授与された。

「この一年間の科学関連が盛り沢山のコースは役に立ち、今回の受賞には、とてもうれしい。ワインが大好きだし、ワイン業界には多くのチャンスがある。最初、ワイン大会の入賞は学生同志のコンペだと思っていたので、銅メダルをもらった時に、僕は学生の中で3番目に良いワインを作ったのだ、と思ってしまった」、と答える。

講師のワーデン氏は、「学生たちを誇りに思う。彼らが作り上げたワインは素晴らしいものだ。一年生の学生はあまり知識を持っていないままワイン作りを開始したが、ワイン科学の授業で充分な知識を身につけ、自信をつけた。学生は一年間でかなりの自信をつけて、今後現場のワインビジネスに進んでいく準備がある」と感想を述べている。

NMITは地元のワイン大会には2019年から 生徒のワインを出品させている。学生のワインも、プロのワインメーカーと同様に並べられ、審判員はどれが学生のワインか知らされていない。つまり、ワインはそれぞれの強みが審判される。バレンシア氏は、「僕が入賞できたのはNMIT の生徒の質の高さを示している。このワイン大会の重要な役割には、未来を見据えて、地元の才能ある若い人材を探すということもある」、と言う。

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