NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
NEW! 07.06.2022
需要が高いニュージーランドワイン

マールボロ産のソーヴィニヨン・ブランの人気が衰える兆候すら見せない成功が故、被害を被っている面もあるようだ。ソーヴィニヨン・ブラン以外で楽しめるワインもあるのが、スーパーの棚を見ているとそうとも言いがたい状況だ。

ニュージーランドのブドウはどの種でも概ね良く育ち、素晴らしいワインが生産されているが、それでもソーヴィニヨン・ブランがワイン業界の生命線となっているのが現状。ニュージーランド・ワイングロワーズの最新の統計によると、ソーヴィニヨン・ブランはブドウ栽培面積の63%を占め、そのうちの75%がワイン生産用に破砕され、生産されたワインの85%は輸出されるという。

ソーヴィニヨン・ブラン種の中心地のマールボロは、生産量においても他の地域を大きく引き離しているし、国全体における栽培面積の70%がソーヴィニヨン・ブランである。しかし、そんなソーヴィニヨン・ブランでさえ付け入る隙はあるようだ。統計上でもソーヴィニヨン・ブランは世界的な伸びが見られるが(マールボロ地方のワイン全体でも同様の結果)、昨今幾分の変化の風が吹いている。多品種の飛躍だ。

「新しい」品種とも言えるものには、グリューナー・ヴェルトリーナーやアルバリーニョなどが躍進していると言える。また、古くからあるシラーやシャルドネに対しても評論家達が再注目している。しかし、専門家たちからの注目度は、現段階での我々の調査では、必ずしも一般の消費者には影響を及ぼすまでには至っていない様子ではある。

さらに懸案事項となっているのは、国内第二のワイン地方でもあるホークス・ベイである。
ホークス・ベイは、1851年に最初の植栽が開始したニュージーランドでも最古の部類に入るワイン地方だが、今ではコクがあり、ピリッとしたシラーにて名声を得ている。以前は、洗練されたボルドー・ブレンドと深みと味わい深いシャルドネの産地として名を馳せていた。ソーヴィニヨン・ブランピノ・ノワールも生産してはいるが、マールボロセントラル・オタゴとの競合でかなり、マーケティング的に遅れを取ってしまっているのが事実だ。

問題はこの地方でのブドウの種類選択ではなく、ワイン検索サイト(注:ワインサーチャーのこと)利用者の関心度の低下だ。ワインの検索をする利用者は、過去10年でホークス・ベイを検索する人が継続して低下傾向となっている。話題となっていたギムレット・グラヴェルズ・サブ・リージョンでさえ、低下傾向に歯止めをかけることが出来ていないのが現状だ。ギムレット・グラヴェルズワインを検索する人達もまた地域的により南のワイン地域のワインを探している。同様にホークス・ベイのワインの世界的な平均小売価格も全般的に低迷し、過去10年間ほぼ変化をしていない。

それでも、ホークス・ベイは以下の表の通り、ニュージーランドワインの中でもその地位を確立している。

世界中で最も需要の高いニュージーランドワイン(ワイン・サーチャーで検索)

ワイン名 | スコア | 平均価格

  1. テ・マタ・エステート コルレーン(ホークス・ベイ) | 93 | $77
  2. クラウディ・ベイ ソーヴィニヨン・ブラン(マールボロ) | 90 | $30
  3. クメウ・リヴァー マテズ・ヴィンヤード・シャードネ(オークランド/クメウ) | 93 | $64
  4. アタ・ランギ ピノ・ノワール(マーティンボロ) | 93 | $62
  5. ベル・ヒル ピノ・ノワール(ノース・カンタベリー) | 93 | $164
  6. ストーニーリッジ・ヴィンヤード ラローズ(オークランド/ワイヘキ島) | 92 | $226
  7. キム・クロフォード ソーヴィニヨン・ブラン(マールボロ) | 87 | $17
  8. クラウディ・ベイ テ・ココ ソーヴィニヨン・ブラン(マールボロ) | 91 | $51
  9. フェルトン・ロード バノックバーン ピノ・ノワール(セントラル・オタゴ/バノックバーン) | 91 | $51
  10. アラン・スコット ソーヴィニヨン・ブラン(マールボロ) | 88 | $14

たった一種類のブドウ品種、それも一つの地域にここまで依存している国にしては、このリストはかなり印象的だ。ソーヴィニヨン・ブランが10のワインの4つしかなく、(2020年度は5つ)で、マールボロも昨年の6から4つしか輩出していない。

ピノ・ノワールは程よく3つ、ボルドー・ブレンドの2種類とシャルドネ1種類が入り、ニュージーランドの強みをかなり適格に反映しているリストとなっているが、残念ながら、ワインカントリーとしての名を汚さないシラー、リースリングスパークリングワインがリストから欠如している。

多様性以外に、このリストからもう一つ見て取れる点は、ニュージーランド産ワインはどのような価格帯で入手可能かということだ。歴史的に海外市場では適度な価格帯のワインに進出しているが、平均価格はワインの質を反映していない。ある意味では、評価スコア(多様なヴィンテージでの批評家のスコアを集計したもの)はワインをおおざっぱに評価する方法であり、最近の質の上昇も反映していない。

高評価は確かに価格に影響を及ぼす。過去でもかなりメディアで取りざたされてきた3つのワインは、大幅な価格上昇を遂げている。ベル・ヒルの平均小売価格は過去2年間で49%上昇し、ストーニーリッジ・ラローズは41%、最近の試飲会でのクメウ・リバーのマテズ・ヴィンヤードシャルドネは25%(ロンドンでは完売)の上昇となった。

消費者がソーヴィニヨン・ブランの名前に隠れてしまった他のチョイスに目を向けることができれば、ニュージーランドには質の高いワインがたくさんあることがわかるであろう。

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