NZ Wine News
ニュージーランドワインニュース
21.07.2013
若い女性層が中国市場でニュージーランド・ワイン成功の鍵を握るか?

全世界が直面した経済危機による経済活動の低迷にもかかわらず、過去10年間の中国経済の驚異的成長がニュージーランド・ワイン産業を10億ドル超規模にまで育てるのに大いに貢献した。昨今の中華人民共和国への年間輸出量は市場価格で2500万ドル以上であり、国内企業はこの金の卵ともいえる中国市場をさらに拡大、多様化し、拡大する市場への供給努力を惜しんでいない。

例えばニュージーランドワイン生産者協会は中国へ派遣団を送り込み、現地のワイン愛飲家にニュージーランド産白ワインの多様性を流布する啓蒙活動を行った。ニュージーランドワイン生産者協会、世界市場ディレクターのクリス・ヨーク氏は「最終的には中国がニュージーランド産ワインの第4番目に大きい輸出市場ともなるであろう。中国市場でニュージ-ランド産ワインは非常に大きな可能性を秘めている。過去数年の急激成長にこの傾向は歴然と現れている。特に25 - 35歳の若い女性層が重要なターゲット層を成している」、と予測する。実際、中国向けのワイン輸出は2007年の20万リットルから2013年には250万リットルへと拡大している。

マスターオブ・ワインの称号を持ち、ワイン関連の批評家、ワイン審査員、教育に従事するボブ・キャンベル氏は「伝統的に中国で好まれる赤という色に反発し『親がやることと反対のことをしたい』という軽い反逆的な精神から、若い世代が白ワイン志向となっているように見受けられる。言うなれば、アンドロイドの代わりにiフォンを持つような、ちょっとしたトレンディな動きとなっている。中国は非常に浸透しにくい市場であったが、多くのニュージーランドのワイナリーが中国のディストリビューターと関係を築くようになり、最終的にニュージーランド産ワインが飲むべきものだと、中国人に容認されるようになり、それからは生産が追い付かないほどの人気となっていった」と語る。

ベイレイズ社の主任研究アナリストのイアン・リトル氏は「2006年の経済低迷時期から、ワイン醸造家は、量より質を重視した生産に転換し始めた。昨年のワイナリーの傾向はビジネス拡大と新たなワイナリー買収に力を入れている」と言う。
昨年では葡萄の輸出価格が一トン1293ドルと上昇してはいるが、まだピーク時だった2008年のトン当たり2161ドルには及んでいない。

「ワイナリーが経済低迷期からの回復をするにつれ、中国は潜在的な巨大市場となりえるであろう。中国人がワインを飲む習慣が一般化すると、いずれにしてニュージ-ランド産ワインだけではその需要を満たすことは到底できないであろう。中国市場の需要に貢献するのは可能でも、ニュージーランド産ワインが中国市場を独占することは不可能なことだ」とリトル氏は述べる。

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